『ノア 約束の舟』感想・紹介・レビュー【神と人】
ノア 約束の舟
2014年に公開されたアメリカ合衆国の叙事詩的ドラマ映画。
監督・脚本をダーレン・アロノフスキー、共同脚本をアリ・ハンデルが務めた。
原題:Noah
出演
- ラッセル・クロウ
- ジェニファー・コネリー
- レイ・ウィンストン
- エマ・ワトソン
- ローガン・ラーマン
- アンソニー・ホプキンス
序盤のあらすじ
創世記の時代、アダムとイブはエデンの園を追われた後、カインとアベルとセトの3人の子どもをもうける。
番人と呼ばれた光の天使たちは、アダムに人間の愛と弱さを感じ、神に背いて彼らを助けてあげたために堕天使となり、泥の塊のような姿に変えられ天上界に帰る事ができなくなっていた。
カインはアベルを殺し、その子孫たちは堕天使から創造する事を教えられ、文明を築くことができた。しかし人間はいつしか堕天使を裏切り倒してしまう。
それに抵抗したのが唯一神の創造物を大切に守り続けてきたセトの子孫、メトシェラであった。
引用:Wikipedia
今作は、アロノフスキーが第7学年の時に興味を抱いた世界で最も有名なミステリーと言っても過言ではない ”ノアの方舟” を基に作られ、世界の終焉に立ち向かう1人の男の孤独な闘いを圧倒的なスケールと映像技術で描いた作品。
作品を観る上でかなり注意して欲しいのだが、今作は『聖書』や『創世記』を忠実に再現しているような作品ではない。
あくまでもそれらが世界観のベースとなっているだけであって、『聖書』の原型の影も形もとどめていない1つのフィクション作品という前提で観ることをオススメする。
(正教会の司祭からは「『47RONIN』くらい原作を破壊している」と言われている)
そして作品が作品なだけに、キリスト教徒・ユダヤ教徒・ムスリムなどから様々な意見が出ている。
しかし無神論者の立場から観れば、無神論者が抱いている「神が沈黙している理由」などが作品内で示されていたりと、娯楽として純粋に楽しむ作品というよりも色々と考えさせてくれる作品として成り立っていると感じた。
肯定的な意見として、ワシントン・ポストのキャスリーン・パーカーは
- 『ブレイブハート』
- 『グラディエーター』
- 『スター・ウォーズ』
- 『ロード・オブ・ザ・リング』
- 『インディ・ジョーンズ』
- 『タイタニック』
この作品のうち2本以上が好きなのであれば今作も好きになれるだろう、評している。
その一方否定的な意見として、ザ・ニューヨーカーのデヴィッド・デンビーは
「大激流、デジタル戦闘、環境保護主義者の怒りの壮大なごちゃ混ぜで、ここ数年(2014年当時)で最も狂った大作映画である」
と評していたりと、観る人を選ぶのは言うまでもないくらいかもしれない。
タイトルを『ノア 約束の舟(原題:Noah)』としなければ、ここまで否定的な意見もなかったような気もするが。
個人的には映画という作品として考えれば、映像や演出に様々なアイディアはどれを取っても素晴らしい物だと感じたし、俳優陣の細かい演技も称賛に値するものだった。
願わくば、今作を観る人にはタイトルやレビューなどから感じてしまう「先入観」を一切合切取り払ったうえで視聴し、自らの心で判断してみてほしい。
小ネタ
イスラムの教えに反するという政府見解によって、バーレーン、イラン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、マレーシア、インドネシア、エジプトでは公開が禁止された。
パキスタンでも上映はされていないが、DVDでの視聴は可能となった。
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