『プリデスティネーション』感想・紹介・レビュー【運命とタイムパラドックス】
プリデスティネーション
2014年に公開されたオーストラリアのSF映画。
『デイブレイカー』のマイケル&ピーター・スピエリッグ兄弟が監督脚本を務めた。
出演
- イーサン・ホーク
- サラ・スヌーク
- ノア・テイラー
- クリストファー・カービイ
- クリス・ソマーズ
ロバート・A・ハインラインが1959年に上梓した ”輪廻の蛇” を原作に作られた今作。
タイムトラベルにはタイムパラドックスが付き物という、ありふれた設定ではあるがその設定をとことんまで作り込んでいる。
タイトルの『プリデスティネーション』は
”運命” ”天命” ”運命予定説”という意味のある単語。
一応はSF映画なのだが、SFという題材を使って内容はタイトルにある通り人間の輪廻、宿命論を描いたサスペンス要素もある作品。
SF映画でタイムトラベルというと、大抵作品公開の年代よりも未来に時代が設定されてそこから戻るか、更に未来にという形が多い。
原作は1959年なのでそこから考えれば今作も同様といえば同様なのだが、映像化にあたって原作が古い物の場合は時代設定を変更する作品などが多い中、そこも忠実なのは珍しい。
タイムパラドックスを扱う時点で、矛盾に満ち溢れた展開になるのだが今作もそれは同様。
しかし、その矛盾や観る人によっては到底理解しがたい設定や無茶も絶対迷宮と化した今作だとそれも含めてこの迷宮を構成する要素の1つなのだと感じてしまう。
序盤のあらすじ
1970年3月、とあるビルの地下で爆弾を処理しようとしていた男が失敗し、顔に大やけどを負う。
男は何者かの助けでバイオリンのケースに似た謎の装置を使い未来に飛び、ある組織の治療によって別の顔を得る。
そして最後の任務を受け、男は過去へ飛ぶのだった。
1970年11月、ニューヨークは連続爆弾魔フィズル・ボマーにより混乱していた。
あるバーにやってきた男・ジョンは、1本のボトルと引き換えに自らの半生をバーテンダーに語る。
引用:Wikipedia
1時間37分という短い時間の中で、凄く頭を使い目を張り巡らせ、ちょっとした違和感を記憶しながら観ていたせいか観終わった後は良い疲労感があった。
ストーリーの前半から中盤は、何処にあるか分からない上にどれが正解なのか分からないパズルのピースを手探りで探し当てるかのような展開のさせ方で進むので、気が抜けない。
しかし終盤は勢いとまさにクライマックスと言わんばかりの展開で、違った意味で気が抜けない。
時間軸の行き来や至る所にある伏線で人によってはこんがらがってしまって、中々きちんとは理解しないまま終えてしまうかもしれない。
勿論、2度3度と視聴して理解していくというのもアリだと思うが、迷宮と化したこの作品の中で「あれは何だったんだ?」「これは?」と考えるのもある意味ではこの作品の面白さと言える。
タイムトラベルに限った話ではないが、現実でも何かしらをイレギュラーな方法で解決しようとしたり、変化させてしまうとそれ相応の代償が存在するということを痛感させられた作品。
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