『グリーンマイル』感想・紹介・レビュー【人と命と尊厳】
グリーンマイル
1999年にアメリカで公開されたファンタジードラマ映画。
監督・脚本・製作をフランク・ダラボンが務めた。
スティーヴン・キングが1996年に発表した、1932年の大恐慌時代の死刑囚が収容されている刑務所を舞台とする同名の小説を原作。
出演
- トム・ハンクス
- デヴィッド・モース
- バリー・ペッパー
- ジェフリー・デマン
- ダグ・ハッチソン
- ジェームズ・クロムウェル
- マイケル・クラーク・ダンカン
映画好きであれば、観たことなくともタイトルを1度は聞いたことがあるであろう『グリーンマイル』
若干ではあるが、映画と原作には相違点がある。
原作との相違点
・映画版は時代設定が1999年(公開年)
・回想の主な舞台は1935年
・原作に登場するブラッド、アーサー・フランダースが映画には登場しない。
『スタンド・バイ・ミー』スティーヴン・キング
『ショーシャンクの空に』フランク・ダラボン
『フォレスト・ガンプ』トム・ハンクス
製作陣が有名だから良作が生まれるとは限らないが、どうしても期待値は高まる。
それを易々と越えてきたのがこの監獄を舞台にしたヒューマンドラマの傑作。
過去何度もテレビ放送はされているが、3時間8分にも及ぶ長編作品なのでカットに次ぐカットでしか流れていない。
ストーリー設定的にファンタジー要素のある物語なので、”リアル”に重きを置く人は向かないかもしれないが作品自体観たことがない人、テレビでしか観たことがない人は是非ともディスクや配信などの媒体で観てもらいたい。
死刑囚専用棟で繰り広げられる、魅力的なキャラクターたちによる交流や人間模様を物凄く丁寧に演技とは到底思えないあまりにもナチュラルな演技で映像化しているのもあって、キャラクター1人1人の感情や思考がそのままストレートに伝わってくる。
公開されたのが1999年というのもあり、当時リアルタイムで観た人の中には子供を持つ親になっている人も少なくないと思うので高校生くらいのお子さんが居るのであれば、親子で観るのも物凄くオススメ。
序盤のあらすじ
20世紀末、60年前の出来事を刑務所の看守主任だったポールが回想する形で物語が始まる。
1932年、アメリカの刑務所。死刑囚監房で看守を務めるポールのもとに、一人の大男が送られて来る。
双子の少女を強姦殺人した罪を持つ死刑囚ジョン・コーフィは、その風貌や罪状に似合わないほど弱く、繊細で純粋な心を持っていた。
これと同時期に、知事の妻の甥であるパーシーが看守となり、傲慢な態度で他の看守たちから嫌われる存在になる。
ある時、コーフィは局部を掴んだだけでポールの重い尿路感染症を治してしまう。
彼はその後も、パーシーに踏みつけられ瀕死の重傷を負わされたネズミ(囚人デルがMr.ジングルスの愛称で飼っていたネズミ)の命を救い、これを見た看守たちは、彼はその不思議な力を神から授かった特別な存在なのではと考え始める。
引用:Wikipedia
どのキャストの演技も素晴らしいが、特に終盤のトム・ハンクスの言葉では表現に限界のある感情の表現を、ちょっとした目線の動きや表情筋の動きで見事に表現しきっていて圧巻。
”感情移入”という言葉があるが、観ている側が感情移入するというよりも登場人物の細かな感情の揺れ動きがそのまま自分に入ってくるような感覚。
ラストの展開は人それぞれ賛否があるのかもしれないが、ずっと孤独でその孤独に苦しんできた彼が心から望んだことであり、彼は自分を理解してくれる人に出会い見守られていたのだと思うと目頭が熱くなる。
”人”の命の尊さ、”人”としての尊厳をこれでもかと考えさせてくれる色褪せることのない傑作だ。
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