『ナイトクローラー』感想・紹介・レビュー【真実と狂気】
ナイトクローラー
2014年のアメリカ合衆国のクライムスリラー映画。
監督・脚本はダン・ギルロイが務めた。
出演
- ジェイク・ジレンホール
- レネ・ルッソ
- リズ・アーメッド
- ビル・パクストン
- アン・キューザック
- キャスリーン・ヨーク
アメリカ・ロサンゼルスで起こる犯罪、事故や家事をフリーランスのジャーナリストとして撮影しテレビ局などに売りつける社会病質者を描いた作品。
主役を演じたジェイク・ジレンホールはこの作品の撮影にあたって、9㎏絞って臨んだ。
そのおかげもあってか、この作品は常時緊張感があってハラハラさせてくれるし、ジェイクの熱演によっていい意味で暗く湿ったスリルを味わうことが出来る上質なサスペンススリラーに仕上がっている。
恐らく多くの人が、序盤から中盤にかけてのお世辞にもテンポが良いとは言えない展開に乗り切れないかもしれない。
しかしそれでも、魅力的で独特なシナリオと登場人物によって引き込まれるだろう。
徹底的に主人公への嫌悪感を煽っておきながら、割とこういう人居るよなぁと思わせる絶妙なライン引きなどが物凄く上手い。
そういうキャラ設定もあって、主人公がいわゆるゲスで嫌悪感溢れるキャラは嫌って人には確実に向かない。
ただ、ここまで色々揃った嫌な奴はそこまで居ないかもしれないが、1つ1つの要素を見ていけばこの手の人間は世の中に山のようにいると思う。
事故現場などで、我先にとスマホを向け撮影する野次馬の中でも更に品のない人。
ネット上で匿名であることを利用して、個人攻撃をしたりする人。
この主人公と何が違うんだろうと思ってしまう。
製作陣にその意識があったかは分からないが、ある意味では風刺的な要素も含んだ作品なのではと考えたりもする。
序盤のあらすじ
ロサンゼルスの工事現場からフェンスを盗んでいたルイス・ブルームは、警備員に見つかるものの、彼を襲い、更に時計とフェンスを盗む。
スクラップヤードで盗んだ品の値段を交渉する際に、ブルームは仕事を求めるが、現場監督は泥棒を雇う気はないと告げる。
自動車事故の現場を撮影するフリーランスのカメラマンを見たルーは、彼らに触発され、盗んだ自転車との物々交換でカムコーダーと警察無線受信機を手に入れ、それらを用いて車強盗の襲撃後の現場を撮影し、ローカル局に売り込む。
朝のニュース番組の監督であるニーナはルイスが撮影した動画を購入し、撮影を続けるように勧める。
彼女は、多くの視聴者の関心を得られる郊外の裕福な住宅街での暴行事件の映像を要求する。
引用:Wikipedia
人それぞれ考え方、価値観が有るとは思うがこの映画を観ていると、一部の職業には倫理観など必要ないどころかあると邪魔なだけなのではないかと思わせてくれるくらいに、自分は清々しさを感じてしまった。
勿論人によっては胸糞悪さを感じるのだろうが、ここまで徹底的に演じられるとむしろ気持ちが良い。
よく、サイコパスとか精神異常者とかそういう単語を目にすることがある。
学歴は無いがめちゃくちゃ頭が切れて口も上手く、それを駆使してエリートたちすら操ってしまう。
ただそこに人間的な感情は一切なく、あくまでも仕事というか目的遂行の為の手段の1つでしかない。
これこそサイコパスっていう表現がピッタリなんだろうなぁ……
ただただ主演のジェイクの演技に圧倒される時間を過ごした気がした。
一切ブレることのない、ブレそうにすらなることのない異常者を完璧に表現していたと思う。
展開的にも中盤以降は一気に視聴者を持っていくような作りになっていて、尚且つ素晴らしい演技力に目が離せないまま観終わってしまう素晴らしい映画だった。
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