洋画な日常

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『インターステラー』感想・紹介・レビュー【人、愛、宇宙】

インターステラー

インターステラー(字幕版)

 

2014年に公開されたアメリカ合衆国のSF映画。
監督・脚本をクリストファー・ノーラン、共同脚本をジョナサン・ノーランが務めた。

出演
  • マシュー・マコノヒー
  • アン・ハサウェイ
  • デヴィッド・ジャーシー
  • ジェシカ・チャステイン
  • マイケル・ケイン
  • マット・デイモン

 

序盤のあらすじ

近未来。

巨大砂嵐が日常的に発生する異常気象により地球規模で植物・農作物の大量枯死が発生し、人類は滅亡の危機に晒されていた。

元宇宙飛行士クーパーは、義父と15歳の息子トム、10歳の娘マーフィー(マーフ)とともにトウモロコシ農場を営んでいる。

マーフは自分の部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象を幽霊のせいだと信じていたが、ある日クーパーはそれが何者かによる重力波を使った二進数のメッセージではないかと気が付く。

クーパーとマーフはメッセージを解読し、それが指し示している秘密施設にたどり着くが、最高機密に触れたとして身柄を拘束される。

そこでクーパーはかつての仕事仲間のブランド教授と再会し、大昔に無くなったはずのNASAが秘密裏に復活し活動を続けていることを知らされる。

NASAは土星近傍のワームホールを通り抜けて、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト――ラザロ計画を遂行していたのだった。

引用:Wikipedia

 

今作は、3次元における不可逆性の時間と重力場、特異点、ニュートン力学、特殊相対性理論などその他さまざまな科学的考証を用いた演出をし、地球を離れ新たな居住可能惑星の探索を行うためにワームホールを通過し、別の銀河系へとインターステラー(有人惑星間航行)をする宇宙飛行士のチームを主軸に、未知の世界への無謀ともとれる挑戦とその状況下での人間の倫理、勇気、信頼、愛などヒューマンドラマもふんだんに盛り込んだSF作品としては異色とも言える作品となっている。

 

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「SF映画」というカテゴリーではあるものの、『スターウォーズ』シリーズを始めとする現代社会における問題の一部を切り取ってあくまでもエンターテインメント作品として作られるものと、人類や地球そのものが抱える普遍的な問題をシンプルに定義し訴えながら視聴者にそのことについて考えさせる物が存在する。
今作はその中でカテゴライズするのであれば、確実に後者と言えるだろう。

 

それでいて今作は”愛”というものを様々な事象や事柄を超越し得る存在として前面に押し出し、ヒューマンドラマとしてのシナリオが新鮮に感じられる人も多いのではないだろうか。
逆に言ってしまえば、至って純粋なエンターテインメントとしてのSF映画を求めて観てしまうと、圧倒的な孤独感に辛さの描写に作品を楽しむというよりも心の底から「人」が恋しくなってしまうかもしれない。

 

そして何と言ってもクリストファー・ノーラン作品としての映像の魅力は相変わらずだ。
可視化するのが難しいであろうモノをそれらしく映像として落とし込む才能は流石としか言えない。
それが故に宇宙、物理学などのことが詳しくなかったとしても、きちんと丁寧にアプローチをしながらストーリー展開がなされていくためある程度は問題ない。
勿論、扱っているテーマがテーマなだけに全く分からない人にとっては整合性が取れない部分や、冗長に感じてしまうシーンがあるのでその辺りは注意して欲しい。

 

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しかしこれだけ映像から受ける刺激の多い作品も珍しい。
時、空間、様々な概念などの観点を改めて考えさせられることになると思う。
映画として成立させるためにある程度都合のいい部分は存在するが、これだけチャレンジング尚且つメッセージ性のある作品になっているので是非お勧めしたい。

 

そもそも、映画で再現されていることが全て正しい訳でもない(証明しようがない物もある)ので、そういったレビューで評価を落としている人は「フィクション」ということを忘れないで貰いたいところではある。

 

 

小ネタ

秘密主義者で知られるノーランは今作の撮影の際にも、厳重な警備を敷いた上で臨んだ。
撮影は『Flora’s Letter』というタイトルで行われていて、フローラとはノーランとプロデューサーのエマ・トーマスとの間の子供のうちの1人から。
今作の科学コンサルタントには相対性理論を可能な限り正確に描写するために、理論物理学者であるキップ・ソーンが起用された。

 

 

 

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