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『セブン・シスターズ』感想・紹介・レビュー【1人の人格7人の姉妹】

セブン・シスターズ

セブン・シスターズ(字幕版)

 

2017年に公開されたイギリス、アメリカ合衆国、フランス、ベルギー共同制作のSFサスペンス映画。
監督をトミー・ウィルコラ、脚本をマックス・ボトキン、ケリーウィリアムソンが務めた。

出演
  • ノオミ・ラパス
  • グレン・クローズ
  • ウィレム・デフォー
  • マーワン・ケンザリ
  • クリスティアン・ルーベック
  • ポール・スヴェーレ・ハーゲン

 

ノオミ・ラパスが7姉妹+1人の架空の女性を演じた今作。
あらすじや序盤の展開的に、行方不明になってしまったとある人物を探すとか助けるために姉妹が奮闘する的な流れかと思う人が多いかもしれないが、その予想は良い意味で裏切られるだろう。

 

世界観を含む様々な設定は正直、強引なのは否めない。
人口増加による人類の危機を描いている訳だが、多産の問題があるのであればそれを防止する手立てがあるよね?という話ではある。
こんな状態になっているのにもかかわらず、事前予防することは一切なく事後対応のみ。

 

産ませた後に冷凍処理する方法をこの世界の場合取っているが、その方がよっぽど手間や費用も掛かるしそこそこな年齢になっている状態で処理というのも倫理観がどうなっているのか、という疑問も浮かぶ。

 

そういった設定の無理矢理さは目立つが、そこを気にしない又は分かった上で観れば十分楽しめる。
展開的にそこそこヘビーな内容が続くのだが、しっかりと緊張感と緊迫感が存在していてハラハラドキドキさせてくれる。

 

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そして今作の見どころは何よりノオミ・ラパスの演技力だろう
1人が複数の役をやる場合、姿かたちが異なっていたり目に見えて違う部分(服装等は異なる)があることが多いのだが、主人公である姉妹は全員同じ見た目。
それで人格は違うという難しい役柄を圧倒的な演技力で、視聴者がすんなりと受け入れられるレベルまで昇華させている。

 

序盤のあらすじ

21世紀半ば。

地球は異常気象と人口過剰によって資源が減少し、戦争や難民問題が繰り返されたことによって主要国はみな滅び去り、ヨーロッパ連邦が新たな超大国として君臨していた。

さらに遺伝子組み換え作物の影響による多生児の増加により、保全生物学者のニコレット・ケイマンが提唱する理論に基づいた強制的な人口抑制が行われるようになっていた。

それは2人目以降の子供が生まれた場合、児童分配局によって親から引き離され、枯渇した地球の資源が回復する日まで冷凍保存されるという一人っ子政策だった。

そんな中、セットマン家で七つ子の姉妹が誕生した。

月曜日から日曜日まで各曜日の名前を付けられた彼女たちは、それぞれが週1日だけ外出し、7人で1人の人格カレン・セットマンを演じることでケイマン率いる児童分配局を欺いてきた。

引用:Wikipedia

 

とはいえ流石に7人というのは人によっては多すぎて分からん、と思う人も居るかもしれないのでその辺りは若干注意が必要。
役の演じ分けというよりも、脚本や演出レベルでの役割の分担が人数に追いついていない感じも少なからずある。

 

全体的に色々勿体ない印象。
プロットと俳優陣の演技力は本当に素晴らしいのだが、やはりこの設定と世界観は2時間という短い時間の中では、細かいディテールだったり人物設定をきちんと描き切るのは難しいと思った。

 

7人が1人の人格を演じてる訳だが、どう考えても曜日で分けている時点で楽な人出てくるし、そういう面での姉妹間のいざこざも出てくるだろう。
そして全人類の人口を管理するような想像できないレベルの巨大組織なのにも関わらず・・・というのもある。(詳細は避ける)

 

正直ツッコミどころを挙げたらキリがない。
ただそれでも娯楽作品としては十分なレベルではある。
言ってしまうとこのプロットと演技力だけで成立している作品かもしれない。

 

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いわゆるアメリカドラマ的に、姉妹の産まれる前や幼少期の様子や世界観、様々な設定を細かく描いて、成長過程などのディテールにこだわって製作していれば『24』『LOST』『プリズンブレイク』のような、凄く面白い映像作品になったんじゃないかなぁと観るたびに思ってしまう。

 

 

 

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