『ハイ・クライムズ』感想・紹介・レビュー【異色の法廷ドラマ】
ハイ・クライムズ
2002年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンススリラー映画。
監督をカール・フランクリン、脚本をユーリー、ゼルツァー、グレイス・ケイリー・ビックレイが務めた。
原題:High Crimes
出演
- アシュレイ・ジャッド
- モーガン・フリーマン
- ジェームズ・カヴィーゼル
- アダム・スコット
- アマンダ・ピート
- ブルース・デイヴィソン
- トム・バウアー
序盤のあらすじ
2002年。
女性弁護士のクレア・キュービックは、建設会社を経営する夫トムと共に幸せな日々を送っていた。
だが、そんなある日、二人の家に強盗が侵入。
二人とも無事だったが、警察が事件を捜査していく内に、トムの本名がロナルド・チャップマンであること、過去に海兵隊の特殊工作部隊に所属していたことが判明する。
しかも、彼には1988年にエル・サルバドルで一般市民9人を殺害した容疑がかけられており、結果FBIに逮捕されてしまうのだった。
自身の無罪を訴えるトムと、彼を信じて軍事法廷に立つことを決意するクレア。
そして軍事裁判に関する知識が豊富な、老弁護士チャーリー・グライムス。
チャーリーの手助けを借りながら、軍の隠された実態を暴いていくクレアだったが、事態は予想だにしない方向に向かっていく。
引用:Wikipedia
今作は、ジョセフ・ファインダーの小説『バーニング・ツリー(原題:High Crimes)』を原作とし、1997年の映画『コレクター』のモーガン・フリーマンとアシュレイ・ジャッドが再びタッグを組み、過去を捨てたはずの男が12年前のエルサルバドル住民の殺害容疑をかけられ、弁護士でその男の妻が無実を信じ軍法会議で海兵隊法務部出身の弁護士と共に戦うを描いた作品。
軍法会議をてーまにした作品として有名なのはトム・クルーズなどが出演した1992年の作品『A Few Good Men』だろう。
あちらが軍法会議ものとしては教科書的な存在になっている一方、今作はどちらかというと軍法会議を題材にはしているもののあくまで1つの要素に過ぎないと言ったところだろうか。
『A Few Good Men』の記事はこちら
前半から中盤にかけては、刑事民事の異なる軍事裁判のシステムや国家保安の上で壁となる機密や軍法などを、脚本も含め相当練りに練って丁寧に作られた軍法会議ドラマにはなっている。
中盤以降は一転、法廷中心のストーリーからサスペンス要素、スリラー要素の強いドラマになっていく。
これが評価を分ける点になってしまっているのだとは思うが、個人的には軍法会議モノとして進めたとしても『A Few Good Men』と比較するとあちらに軍配が上がってしまう気がするので、こういう展開も無くはないかなと感じた。
ラストの展開なども含めると結構後味の悪い作品になってしまうので、そういうモヤモヤを遺した状態で終わる作品が好みじゃない人には向かないかもしれない。
純粋な法廷モノとして作られていたらどうなっていたんだろうという気持ちもあるが、異色の法廷ドラマ+サスペンスとして考えれば、これはこれでアリと感じさせてくれるくらいにはきちんと作られた作品だ。
もし、今作を観て腑に落ちない点がある場合は原作小説を観ると色々分かるかもしれない。
理想は映画の中で分かるのが1番良いと言えば良いんだけね。
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