『ダークナイトライジング』感想・紹介・レビュー【人生の再出発】
ダークナイトライジング
2012年公開のアメリカ合衆国・イギリス共同製作のアクション映画。
監督・脚本をクリストファー・ノーランが務めた。
「ダークナイト・トリロジー」三部作の最終作となる。
出演
- クリスチャン・ベール
- マイケル・ケイン
- ゲイリー・オールドマン
- アン・ハサウェイ
- トム・ハーディ
- マリオン・コティヤール
- モーガン・フリーマン
1作目の『バットマンビギンズ』2作目の『ダークナイト』そして今作。
3作品とは言え、シリーズ化すると尻すぼみしてしまったり途中で根幹となるコンセプトがズレてきてしまって違和感を感じる作品が多い中、1作目の冒頭から3作目のエンディングまで常に見応え満載。
今作も登場人物の決意や迷い、心の葛藤などの心理描写が丁寧に描かれていてまるでその状況に自分が居るのではないかと思わされるような作りになっている。
クリストファー・ノーラン曰く、今作はチャールズ・ディケンズの長編小説『二都物語』から影響を受けているらしく『ダークナイト ライジング』は前作のラストで友人の罪を自ら被り、表舞台から去ったバットマンが使命を果たすために再び立ち上がるストーリーになっている。
『二都物語』はフランス革命が起こった激動の時代を背景に、無実の罪で18年牢獄で過ごしたマネット医師が出獄し人生を再出発するというのがテーマになっている。
序盤のあらすじ
地方検事のハービー・デントの死から8年。
デント法によりゴッサム・シティ警察はほぼ全ての組織犯罪を根絶した。一方、バットマンに扮しゴッサムの不正と戦ってきたブルース・ウェインはデントの犯した罪をかぶりバットマンとしての活動から引退、ウェイン産業の職務からも遠退いていた。
そんな状況の中、ウェイン産業の役員で会社の乗っ取りを企むジョン・ダゲットの依頼によりウェインの自宅にメイドとして潜入していたセリーナ・カイルが、犯罪歴を抹消するソフトウェア「クリーン・スレート」と引き換えにブルース・ウェインの指紋を盗み、併せてバイロン・ギリー議員を誘拐する。
セリーナはダゲットの部下に指紋を渡すも裏切られ、ダケットの傭兵たちと戦闘状態となる。
セリーナは警察に通報し、ジム・ゴードン市警本部長を含むゴッサム市警がその取引現場に到着する。
市警と傭兵たちとの間で戦闘になり、セリーナはその混乱に乗じて逃走する。
引用:Wikipedia
冒頭で触れたが、『二都物語』に影響を受けたというのを作品を観るとより実感出来ると思う。
今回の悪役である”ベイン”が起こす反乱の手法は『二都物語』で描かれている暴力的で粗野な部分が大いに感じられる。
そしてバットマンは相変わらず、人の弱さを持ち合わせた魅力的なダークヒーローで1作目がブルースがバットマンになるまでのヒューマンドラマ、2作目がバットマンと対峙するジョーカーのヒューマンドラマ。
最終作となる今作が、バットマンがブルースになるまでのヒューマンドラマといったところだろうか。
この作品、上映時間が2時間44分とかなり長めにはなっているのだが、ノーランの魅力的な演出や様々な手法に俳優陣の表情や演技によって、その長さを感じることはほぼ無く観終わってしまう。
(今作に限らず1作目:2時間20分、2作目:2時間32分とシリーズ通して長め)
1作目から一切ブレることなく突き進んできた、ダークでシリアスな上質なドラマの最終作として個人的には完璧なラストだったと思う。
3作全てを見返したのだが、最終作である今作を観終わるとまた1作目から観返したくなるほど魅力的なシリーズだ。
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