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『バリー・シール/アメリカをはめた男』感想・紹介・レビュー【破天荒な実話】

バリー・シール/アメリカをはめた男

バリー・シール/アメリカをはめた男(字幕版)

 

2017年に公開されたアメリカ合衆国の伝記犯罪映画。
監督をダグ・リーマン、脚本をゲイリー・スピネッリが務めた。

出演
  • トム・クルーズ
  • ドーナル・グリーソン
  • サラ・ライト
  • ジェシー・プレモンス
  • ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
  • ローラ・カーク

 

序盤のあらすじ

1970年代後半、バリー・シールは大手航空会社TWAでパイロットとして働いていた。

シールの若くして機長に昇進した腕前は一級品かつ裏で検査が緩い立場を利用して密輸に手を染めていた事で、CIAからも注目されるようになった。

ある日、シールはCIAに極秘の偵察任務への参加を求められた。

野心家でもあったシールは喜んでその依頼を引き受ける事にし、すぐにTWAを飛び出してCIAが用意したペーパーカンパニーの小さな航空会社に転職し、メキシコ湾を航空レーダーを避けるように凄腕を発揮した超低空飛行で通り抜けてアメリカと中米や近隣諸国を秘密裏に往復するスリリングな日々を始める。

引用:Wikipedia

 

今作はアメリカ大手航空会社TWAのパイロットで、その後にメデジン・カルテルの大麻密輸人となった実在の人物バリー・シールの実話を基にしたフィクション作品。
実際の人物の実話を基にはしているが、様々な脚色がなされているのでその辺りは勘違いに注意。
それと正直、邦題はよくないしそれで観ない人が居たら勿体ない。(原題:American Made

 

バリー・シール

アドラー・ベリマン・"バリー"・シール(Adler Berriman "Barry" Seal、1939年7月16日 - 1986年2月19日)はアメリカ大手航空会社TWAのパイロットで、後にメデジン・カルテルの大麻薬密輸人となった。

シールは密輸容疑で有罪判決を受けた時、麻薬取締局への情報提供者となり、いくつかの大きな麻薬関連の裁判で証言をした。

1986年、メデジン・カルテルの頭であるパブロ・エスコバルに雇われた殺し屋に殺害された。

引用:Wikipedia

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冒頭からラストまでずっとテンポが良くダレることがない。
演出や展開もコミカルでありつつ派手ではあるのだが、トム・クルーズの飄々とした演技のおかげもあって胃もたれするようなこともなく見続けられる。

あまりにテンポが良いので実話を基にしているというのをつい忘れてしまうが、ジミー・カーター政権からロナルド・レーガン政権のそれぞれの映像が挿入されているので、そこで「こんな人物こんな話が実際にあったのか」と実感させられる。

 

様々な社会情勢や当時の中南米やアメリカの政治的手法も作品から垣間見る事が出来るのだが、主人公であるバリー・シールの破天荒で飄々としていて憎めない人間性を、流石トム・クルーズと言うべきかダークな役柄ではあるもののコミカルな作風と演技でメッセージ性が色濃く出てくるような感じは一切させずに描き切っている。

 

実際はどうだったのか分からないが、アクションシーンがあったりカルテルが出てきたりはするのに残酷なシーンや凄惨なシーン、お色気シーンもほぼ出てこないのもあって家族で観るにも楽しめる作品になっているのも素晴らしい。
いわゆるアメリカ映画にありがちな無駄なシーンが存在しない。

 

そしてトム・クルーズと言えば自ら色んな事をしてしまうということ。
知らずに観てからメイキングで知るのもビックリするとは思うが、作中での飛行機の操縦は本人がCG無しで行っている。
まぁ正直『ミッション:インポッシブル』などでやっていることを考えたら、本人からしたらやってる内に入らないかもしれないが。

 

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この作品は純粋にコミカルで派手な展開で楽しむことが出来るが、それとは別に得られる知識が多いのもいい。
当時のアメリカや中南米の知識が少しでもあれば違った楽しみ方が出来るし、知らない状態で観ると当時世界警察と称して様々な国に干渉していたことや、目的の為なら麻薬の密輸すら黙認して自国民がジャンキーになるよりも、他国が共産主義になることを恐れていたということなど色々と知ることが出来る。


実際にどの部分が脚色なのかの詳細は分からないが、こういったタイプのキャラ設定の場合は「物語の進行度=自滅へのカウントダウン」になることが多い。
しかし、その自滅へと向かってバリーがやたらと楽しそうに豪快に突き進み、冒頭で感じる飄々とした人柄のまま進んでいくので、飽きることなく観続けられるバランスの取れた良作だ。

 

 

 

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