洋画な日常

洋画まみれな人がネタバレを避けて紹介していくブログ

洋画な日常

『コンカッション』感想・紹介・レビュー【後遺症という病】

コンカッション

コンカッション (字幕版)

 

2015年に公開されたアメリカ合衆国の伝記ドラマ映画。
監督・脚本をピーター・ランデズマンが務めた。

出演
  • ウィル・スミス
  • アレック・ボールドウィン
  • ググ・バサ=ロー
  • アーリス・ハワード
  • ポール・ライザー
  • ルーク・ウィルソン

 

序盤のあらすじ

監察医として働くオマル博士の元に、マイク・ウェブスターの遺体が運び込まれた。

ウェブスターはかつて地元アメフトチームで活躍した有名選手であったが、50歳でアルツハイマー病の症状を呈し、心臓発作で死亡していた。 

アルツハイマーを発症するには若すぎることからオマルはウェブスターの解剖に臨む。

脳の外観には異常が見受けられなかったが、それはアルツハイマー病を否定する結果であった。

オマルは必ず何か原因があるはずと関心を寄せ、ウェブスターの脳を標本化し自費で研究を始める。

ウェブスターがかつてアメフト選手であったことに着目したオマルは、強い衝撃が何度も頭部に加わったことにより脳障害が発生するのだと推察する。

引用:Wikipedia

f:id:potyoron:20201115035028j:plain

 

今作は主人公であるオマル医師がナショナル・フットボール・リーグの選手たちと慢性外傷性脳症との関連性を発見したものの、アメリカの国民的スポーツにメスを入れることになるその見解をNFLは全面否定し、絶大な権力で圧力をかけられた彼が一歩として譲ることのない闘いに身を投じていく様を医師の実話に基づいて描いている。

 

医師という職業は患者の治療は言うまでもないが、様々な症状や病状を科学的に分析し原因を追及する職業であるはずなのだが、NFLを始めとする組織や大企業などに属する医師の一部は、その恩恵と報酬の為に真実とは程遠い歪曲した論文などを発表している案件を度々耳にする。

 

HIVに関連する血液製剤についてのものなどが世界的には有名なのではないだろうか。
こういった苛烈とも取れる圧力にも一切屈することなく、医師としての本分を全うし真実を伝えるために奮闘したオマル医師には畏敬の念しかない。

 

そしてそのオマル医師を演じたウィル・スミスは圧巻。
今までにない新たな境地を魅せてくれていて、兎にも角にも真面目で愚直で一所懸命なオマル医師を細かい表情や声の出し方などで上手く表現している。

この演技によって彼のファンは勿論、ファンでなくとも純粋に作品にのめり込み楽しむことが出来ると思う。

 

f:id:potyoron:20201115035044j:plain

 

今作を観た人は是非ともフットボール選手の引退後やその後を調べてみてほしい。
フットボール選手に限らず様々なスポーツに言えることではあるのだが、その多くが脳に何かしらの傷害を持っているという記事が出てくることだろう。

 

その多くが、本人や家族は事実を知らない。
その事実を知っているのにも関わらず隠すNFL。

 

スポーツ選手は死ぬまでそのスポーツ選手なわけではなく、引退後の人生が存在する。
スポーツをする上で本人が様々なリスクがあるのは理解したうえで行うことも大事だが、避けることの出来るリスクは避けるべきだろうし、一見関係ないように見えてもそのスポーツで起こりうる身体への負荷によって、時間が経ったのちに発現する症状などを調査し、それに対しての安全策を講ずることが何よりも大切だろう。

 

日本でも高校野球における選手たちへの負担がニュースになることが多い。
そして数年前に延長タイブレーク制になることに対しての、全国の監督のアンケートの結果は賛成は半数で白紙回答まで居たというから呆れる。
何をするにも身体が資本で、心身ともに健康だからこそそれに結果が付いてくるということを指導者であればまず理解すべきだ。


こういった指導者側に立つ人も勿論、スポーツをする側の人も今作を観て学ぶべきことや考えるべきことがあると思う。
そしてそこでの考えや学んだことを、是非ともその現場に役立てて選手たちは勿論子供たちの将来を明るい物としてほしいと、改めて強く感じさせられた作品だった。

 

 

 

↓↓Prime Video無料体験はこちら↓↓