『ビリーブ 未来への大逆転』感想・紹介・レビュー【果敢な挑戦】
ビリーブ 未来への大逆転
2018年に公開されたアメリカ合衆国の伝記ドラマ映画。
監督をミミ・レダー、脚本をダニエル・スティープルマンが務めた。
出演
- フェリシティ・ジョーンズ
- アーミー・ハマー
- ジャスティン・セロー
- キャシー・ベイツ
- サム・ウォーターストン
- ケイリー・スピーニー
序盤のあらすじ
ルース・ベイダー・ギンズバーグはハーバード大学の法科大学院の1回生であった。
多忙な日々を送っていたルースだったが、夫のマーティンがガンを患ったため、夫の看病と娘の育児を一手に引き受けざるを得なくなった。
それから2年後、マーティンのガンは寛解し、ニューヨークの法律事務所で働き始めた。
ルースはコロンビア大学の単位を以てハーバードの学位を得る許可を求めたが、学部長に却下されたため、やむなくコロンビア大学に移籍することになった。
ルースは同大学を首席で卒業したにも拘わらず、法律事務所での職を得ることが出来なかった。
引用:Wikipedia
今作はこの裁判ののちに、アメリカ合衆国最高裁判事にまで上り詰めたルース・ベイダー・ギンズバーグが弁護士時代に史上初となる男女平等裁判に挑んだ実話をベースに描かれた作品。
紹介したあらすじからも既にその片鱗が窺い知れると思うが、作品の序盤である主人公ルースがハーバード大学のロースクールに入る学生時代の描写から、これでもかというほどの性差別のオンパレード。
よく「欧米」などとヨーロッパとアメリカは同じように扱われることが多いが大きな違いがある。
イギリスやドイツなどでは女性首相がごく当然の様に存在するが、アメリカ合衆国では今現在に至るまで女性大統領というのは存在せず、その理由が今作を観るとそりゃ生まれないだろうなと納得出来てしまう気もする。
まぁ言うまでもなく日本にも女性首相は存在していないので、アメリカ合衆国のことをとやかく言うのもお門違いかもしれないが、それに関しては映画とは直接関係ないので触れることはしない。
人種で差別をして性別で差別をする。
本当に人間は差別という物が好きというかなんというか。
自分よりも劣っている(と思っているだけ)人たちを見つけ、そういった人たちを一方的に理不尽に蔑むことの愚かさ。
それに立ち向かうことの大変さもきちんと描き、その状況化で果敢なチャレンジをしたルースだけでなく彼女を支えたご主人の献身的な応援も素晴らしい。
時代にそぐわない性別や人種に対する法律に一石を投じた勇気ある人たちのおかげで、現在の女性たちの社会的地位が存在するということを忘れてはならない。
アメリカだけに限って言えば、バランスが良いのかどうなのかは若干疑問が残るところではあるが、男性も女性もその立場に甘えることなく常に平等とは何かということを考え、それに向かって努力するべきなのだろう。
アメリカで根強く残っていた男性と女性の間にある厚い壁を努力によって打ち破るストーリー展開は、日本でもジェンダーの在り方などに問題や違和感を感じる人は様々な面で考えさせられる作品になっているのではないだろうか。
こういった社会的メッセージの強い映画というのは、あまり万人受けしにくいし大きな宣伝をされることもあまりないが、こういう良質な映画こそ広く観られるべき物なのだろうと改めて感じさせてくれる作品だった。
小ネタ
ルース役はナタリー・ポートマンを起用する予定だった。
ルース・ベイダー・ギンズバーグ本人が本作にはカメオ出演している。
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