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『ダーティハリー』感想・紹介・レビュー【絶対的な正義】

ダーティハリー

ダーティハリー(字幕版)

 

1971年に公開されたアメリカ合衆国のアクション映画。
監督をドン・シーゲル、脚本をハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク、ディーン・リーズナーが務めた。

出演
  • クリント・イーストウッド
  • ハリー・ガーディノ
  • アンディ・ロビンソン
  • レニ・サントーニ
  • ジョン・ミッチャム
  • ジョン・ラーチ
  • ジョン・ヴァーノン

 

今作は1970年代のハリウッドアクションを代表する作品の1つ。
アメリカ・サンフランシスコを舞台に目的遂行の為であれば、どんな手段にも打って出る刑事がベトナム帰還兵で狂った連続殺人犯との攻防を繰り広げるアクション作品になっている。

 

今作(続編もだが)が凄まじい人気を誇ったため、これ以降に撮影されたアクション映画に多大な影響を与えたとも言われている。
当時のドン・シーゲルとクリント・イーストウッドというのはそこまで人気があった訳ではなかった。

 

B級映画監督と言われていたドン・シーゲル。
低予算マカロニ・ウェスタンの役者程度の認識しかなかったクリント・イーストウッド。

 

この2人が生み出した『ダーティハリー』は当時のアクション映画を牽引する存在となるだけでなく、イーストウッド自身も今作でスターとしての地位を確立し最大級の当たり役となった。

 

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そして今作はただのアクション映画というだけでなく、愉快犯的な無差別殺人や電話で警察組織や報道機関を煽る劇場型の犯罪手法、デュー・プロセス・オブ・ローに反するとして凶悪犯が放免されるといったように、当時のアメリカ国内の世相を反映させていてそういった面での見応えも十分。
(監督とイーストウッド曰く、特に世相を気にしたわけではなく単純に面白い作品を作ろうと思っただけとのこと)

 

ダーティヒーローと時代背景や当時の世相を絶妙かつ巧みに物語の中に組み込みながら、あらゆるシーンに視聴者を魅了する要素が満載。
ストーリー展開も分かりやすく、軽快でテンポよく進んでいく且つ力強く推し進めていく。
1時間42分という時間の中にこれでもかというほど魅力が詰まった作品。

 

序盤のあらすじ

サンフランシスコのとあるホテル屋上のプールで泳いでいた女性が、何者かによって射殺される。

捜査にあたるのは通称「ダーティハリー」と呼ばれる、サンフランシスコ市警察本部捜査課のハリー・キャラハン刑事。

狙撃地点に残されたメモで犯人はスコルピオと名乗り、市警察に10万ドルを要求。

応じなければ、次はカトリックの司祭か黒人を殺すという。

市警察は支払いを拒み、次の犯行を防ぐために市内の高層ビルに多数の警察官を配置する。警戒中のヘリコプターが不審人物を発見するが、犯人を逃がしてしまう。

犯人は10歳の黒人少年を殺害したあと、さらに少女を誘拐し身代金を要求する。

市は10万ドルの支払を決意、金の引渡しをハリーは命ぜられ、相棒のチコ・ゴンザレスが車で後をつけることとなる。

引用:Wikipedia

 

ハリー・キャラハンという刑事は表面だけ見ると、粗暴でどう考えても法律上無理があるし、日本じゃ尚更そう思うだろう。
しかし、既存の警察組織や弁護士が振りかざす体裁・体面・法律によって、たった1人の異常者すら食い止められない現状、現場と管理側の決して埋まらないギャップ。

 

そういった部分に対して”正義”という1つの信念を誰よりも強く持ち、それを果たすことだけを考え行動した結果”ダーティハリー”になる。
愛する妻が犯罪に巻き込まれて亡くしても、折れることなく仕事に向き合い、ただ正義を成す。

 

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冒頭からラストまで一切無駄な設定や無駄な要素がない。
ただひたすらに面白い刑事物のハリウッドアクションを突き詰めて突き詰めて出来上がったのだろうと思わされるほどの完成度。
曖昧な表現や、中途半端な伏線に雑な回収の仕方、歯切れの悪い展開など全く見当たらない。

 

このカテゴリーの映画として、これが完成系と言えるほどなので1度今作を観てしまうと、良くも悪くも同ジャンル作品を観るときの基準になってしまうかもしれない。
年齢を重ねるごとに面白さが増し、良さを理解出来る素晴らしい作品、まさに傑作。

 

小ネタ

主人公のハリー・キャラハン役は、元々フランク・シナトラのために用意されていた。
シナトラが辞退したあとも、様々な俳優へオファーが行ったため何度も脚本が書き直されている。
辞退した1人であるジョン・ウェインは、完成した今作を見て出演を断ったことにかなり後悔したらしく、後々ほぼ今作の焼き直しとも言える『マックQ』を作った。
元々シリーズ化を予定していなかったので、あのようなラストになったと言われている。

 

 

 

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