洋画な日常

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『ビューティフル・マインド』感想・紹介・レビュー【病めるときも健やかなるときも】

ビューティフル・マインド

ビューティフル・マインド (字幕版)

 

2001年に公開されたアメリカ合衆国の映画。
シルヴィア・ネイサーが1998年に出版した同名の書籍を原作とし、監督をロン・ハワード、脚本をアキヴァ・ゴールズマンが務めた。

出演
  • ラッセル・クロウ
  • エド・ハリス
  • ジェニファー・コネリー
  • クリストファー・プラマー
  • ポール・ベタニー

 

ノーベル経済学賞を受賞した経済学、数学の天才として世界に名を轟かせながらも重度の統合失調症を患ってしまった、ジョン・ナッシュの半生とそれを献身的に支えた妻アリシアを描く物語。

ジョンナッシュとは

ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニア(John Forbes Nash, Jr. 1928年6月13日 - 2015年5月23日)は、アメリカ人の数学者

ゲーム理論、微分幾何学、偏微分方程式で著名な業績を残す。

1994年にゲーム理論の経済学への応用に関する貢献によりラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニと共にノーベル経済学賞を、2015年に非線形偏微分方程式論とその幾何解析への応用に関する貢献によりルイス・ニーレンバーグと共にアーベル賞を受賞した。

 微分幾何学では、リーマン多様体の研究に関して大きな功績を残す。

引用:Wikipedia

 

天才数学者の半生を描いた作品は少なくない。
そして個人的に”数学者”を描いた作品に外れはないと思っている。

コンピューターの父アラン・チューリングを描いた
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』

 インドの魔術師シュリニヴァーサ・ラマヌジャンを描いた
『奇蹟がくれた数式』 

車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキングを描いた
『博士と彼女のセオリー』

 

これだけでなく他にもあるのだが、共通して言えるのは
「天才が故の孤独、苦悩、葛藤」

勿論、生涯理解者が居ないわけではないのだが、ずば抜けた天才を理解するのは常人には難しいことなのだろう、理解者が現れるまでの孤独感や現れたとしても過去の経験から心を完全には開けなかったりと様々な困難が待ち受けていることが多い。

 

この作品のモデルになっている”ジョン・ナッシュ”の場合、アリシアというかけがえのない理解者が居たりその天才的な頭脳を認められたりと恵まれているようにも見える。
が、認められたら認められたでそれを”利用”しようとする者が現れる。

 

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序盤のあらすじ

1947年。

ジョン・ナッシュはプリンストン大学院の数学科に入学する。

彼は「この世の全てを支配できる理論を見つけ出したい」という願いを果たすため、一人研究に没頭していくのだった。そんな彼の研究はついに実を結び、「ゲーム理論」という画期的な理論を発見する。 

やがて、その類いまれな頭脳を認められたジョンは、MITのウィーラー研究所と言われる軍事施設に採用され、愛する女性アリシアと結婚する。

政府組織は敵国であるロシアの通信暗号解読を彼に強要し、その極秘任務の重圧に彼の精神は次第に追い詰められていく。

引用:Wikipedia

 

”人生”というものの本質をこれでもかと突いてくる深いテーマの中でラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー両名の圧倒的な演技力によって、作品の世界に引きずり込まれる。
詳細は後述するが、この作品はあくまでジョン・ナッシュをモデルにした物語なので相違点が多々あり大分割愛されている。
実際はこの作品以上に起伏にとんだ人生だったのだろうと考えると感慨深いものがある。

 

妻アリシアがストレートな表現しかすることの出来ないナッシュの全てをそのまま受け止め、それによってナッシュの周囲すらも理解者に変えて暗く恐ろしい幻覚世界から救い出す様をジェニファー・コネリーが心優しく健気というだけでなく、現状と闘う強き女性が本当に美しい。

 

結婚式で「病めるときも健やかなるときも永遠の愛を誓いますか?」というような言葉を神父から問われる。
勿論問われた全員が「誓います」と答えるだろうが、これを実行するのは容易くない。
妻アリシアはこの言葉を真実にしたのだろう。

 

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ナッシュの独特な姿勢や仕草、身振りから視線に話し方まで緻密に表現しきっているラッセル・クロウは他の作品とは異なる圧巻の演技。

 

運命を受け入れ、前進する勇気

人を慈しみ愛すること

普通と異常の基準など自分で決めればいい

ということなどこんなにも精神性を教えてくれる作品はかなり貴重だと思うので、1度観てもらいたい。



実話との相違点

・映画ではナッシュは大学院の頃から統合失調症に悩まされていたように描かれているが、実際はその当時そのような症状は無く症状が現れるのは数年後。
・夫妻は認めてはいないが、ナッシュがランド研究所で同性愛関係を持ったことは描かれていない。
・ナッシュは妻とは別の女性と子供をもうけているが、これについても描かれていない。
・10年間にわたり入退院を繰り返している間、妻であるアリシアが献身的に支えたというような描き方になっているが、実際は1963年に離婚している。
・その後、1970年に退院するとアリシアの住居に間借り人として住み、2001年に本人同士で再婚している。

 

 

 

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