『奇蹟がくれた数式』感想・紹介・レビュー【1人の天才数学者】
奇蹟がくれた数式
2015年にイギリスで製作され、2016年に公開された伝記映画である。
監督はマシュー・ブラウン、主演はデーヴ・パテールが務めた。
本作はロバート・カニーゲルが1991年に上梓した『無限の天才 夭折の数学者・ラマヌジャン』を原作としている。
出演
- デーヴ・パテール
- ジェレミー・アイアンズ
- トビー・ジョーンズ
- スティーヴン・フライ
- ジェレミー・ノーサム
冒頭にある通り、原作の存在する作品で「シュリニヴァーサ・ラマヌジャン」は実在した天才数学者であり、その半生を描いた作品となっている。
個人的には数学物の映画には外れがないと思っているが、今作も楽しむことが出来た。
シュリニヴァーサ・アイヤンガー・ラマヌジャンとは
数論を専門とするインドの数学者。
きわめて直感的で天才的な閃きによって「インドの魔術師」と呼ばれていた。
ラマヌジャンのデルタや、タクシー数、K3曲面、円周率の公式などで有名。
著名な数学者でも生涯に1つ公式を見つけることが出来れば十分凄いと言われている。
そんな中、ラマヌジャンは数千にも及ぶ公式(数式)を見つけている。
とても人間業とは思えない、安直で簡単すぎる表現かもしれないが正に『天才』なのだ。
序盤のあらすじ
インドマドラス(現・チェンナイ)、数学者であるシュリニヴァーサ・ラマヌジャンは極めて優れた直観によって様々な定理を発見した。
しかし、数学者としての正式な訓練を受けていなかったがために証明には数多くの不備があり、ラマヌジャンは学会から黙殺されそうになった。
そんなラマヌジャンに目を付けた人物こそ、ケンブリッジ大学の数学者、ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディであった。
引用:Wikipedia
この作品を観ると、どんなに卓越した天才だとしてもそれを必要だと理解出来る同様の天才と理解してくれる環境が無いと意味を成すことはない事を痛感する。
ただ、この作品はラマヌジャンの数奇な人生をちらっと垣間見る事が出来るという程度の描き方なのが自分としては勿体ないというか、残念な点でもあった。
作中だと、大学を単に貧しかったが為に進学出来なかった人のように見えてしまうが、実際は大きく異なる。
ラマヌジャンは奨学金で大学に進学し、元々ではあろうが大学で更に数学に魅了されて、数学のみに夢中になってしまった結果、他の科目を落として遂に奨学金を打ち切られてしまい大学を中退したと言われている。
いわゆる、天才と何とかは紙一重というような側面だったり、幼少期はどんな子供だったのか、ラマヌジャンが「数」との出会いはどういった物だったのか等を少しでもいいから盛り込めば、もう少し深みが出てキャラクターに魅力が増えたんじゃないかなと思った。
そういった点は惜しいが、作品自体は綺麗に上手くまとまっているし観易く仕上がっている良心的な伝記映画なので、気になった人は観てほしい。
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