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『英国総督 最後の家』感想・紹介・レビュー【独立の苦悩と混乱】

英国総督 最後の家

英国総督 最後の家(字幕版)

 

2017年に公開されたイギリス・インドの歴史ドラマ映画。
監督・脚本をグリンダ・チャーダ、共同脚本をポール・マエダ・バージェスとモイラ・バフィーニが務めた。

出演
  • ヒュー・ボネヴィル
  • ジリアン・アンダーソン
  • マニシュ・ダヤル
  • フマー・クレイシー
  • マイケル・ガンボン
  • サイモン・キャロウ

 

今作は約300年にわたり続いた英国統治主権移譲を決定し、最後のインド提督として派遣され円滑な独立を目指していたルイス・マウントバッテン卿とその家族を主軸とし移譲が完了するまでの苦悩や、インド・パキスタン・バングラデュが国として成立するまでの様々な混乱、独立までの激動の数ヶ月を描いている。

 

それだけでなく、それとほぼ同時進行するような形でマウントバッテン卿に仕えていた青年ジートとマウントバッテン卿の娘の秘書をしていた女性アーリアとの恋愛模様も描かれる。
この当時の歴史にあまり詳しくない人でも、観進めていくにつれてどんどん作品に引き込まれていけるような作りになっている。

 

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これは作品とは直接関係ない話ではあるし、実際に体験したことがある人というのもそう多くはないだろうと思うのだが、インドへ旅行する際にビザを取得する手続きをすると貴方の父方の誰々はパキスタンに行ったことがあるか?母方の誰々はあるか?など正直知らないし、行ったことが無いとは思うが・・・と思うような質問や戦争関与についての質問が有ったりする。

 

なぜこのような質問が現代になっても必要なのかというのも、この作品を観るとその当時の歴史についての知識がなくても理解が出来ると思う。
恐らくはこれからもこのような質問がなくなることはないのだろう。
どれほどの時が経ったとしても、根深く残る国同士の軋轢なのかもしれない。

 

インドというと、暑そうとかカレーとか人口が多いとか理系の分野で秀でてるというようなイメージしか無い人も多い。
この映画を観る事で、インドという国を知るきっかけになると思う。

 

序盤のあらすじ

1947年、第二次世界大戦で疲弊したイギリスは300年間支配してきたインドの主権移譲を決定し、独立を円滑に行う使命を帯びたルイス・マウントバッテン卿が最後のインド総督として着任する。

彼が居住する総督官邸では500人の使用人が総督一家の世話を行っていた。

総督官邸に勤める友人ドゥリープの紹介で使用人になった元警官ジートは、マウントバッテンの娘パメラの秘書として働くアーリアを見かける。

ジートは警官時代に出会った囚人アリの世話をしており、彼の娘であるアーリアに想いを寄せていたが、彼女にはアリが決めた婚約者がいた。

 引用:Wikipedia

 

冒頭でも述べたが、インド・パキスタン独立の歴史を知るという意味では良いきっかけになる作品に仕上がっているとは思う。
しかし個人的に残念なのが、当時のインドの実情・実体というものが作品に表現されているかというと若干の疑問・違和感が残る。
そして、映画として成立させるためにという意図もあるのかもしれないが、総督府内や街並みが余りにも綺麗すぎるのも気になる。

 

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その辺りはリアリティと創作物である映画のバランスの取り方ではあるのだが、もうちょっとリアルな映像に寄せても良かったんじゃないかなぁと。
人によってはジートとアーリアの恋愛模様も取ってつけたような演出に見えてしまう部分があるかもしれない。

 

都合のいいように解釈してしまえば、そういった点も過去の歴史を知るきっかけとして万人が観やすいように要所はしっかりと押さえつつ、重苦しくならない様に映画的要素も盛り込んでいるのでオススメしやすい作品には仕上がっている。

 

小ネタ

2017年3月3日にイギリスで公開、インドではヒンディー語吹替版が同年8月18日に公開されたが、パキスタンでは上映禁止となった。

 

 

 

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