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『プライベート・ライアン』感想・紹介・レビュー【戦争映画の傑作】

プライベート・ライアン

プライベート・ライアン (字幕版)

 

1998年に公開されたアメリカ合衆国の戦争映画。
監督をスティーヴン・スピルバーグ、脚本をロバート・ロダットが務めた。

出演
  • トム・ハンクス
  • トム・サイズモア
  • エドワード・バーンズ
  • バリーペッパー
  • アダム・ゴールドバーグ
  • ヴィン・ディーゼル
  • マット・デイモン

 

第二次世界大戦時に行われた”ノルマンディー上陸作戦”を舞台に、1人の兵士を救出するために向かう兵士たちのストーリー。
スピルバーグが第二次世界大戦をテーマにするのは、『1941』『太陽の帝国』『シンドラーのリスト』に続いて4作目で、後に大戦でB-25の無線士として戦線に参加していた父親である、アーノルド・スピルバーグに捧げた作品と語っている。

 

トム・ハンクスが演じたミラー大尉が担当したオハマビーチは、この作戦の中でも最悪で50%を越える死傷率だったと言われているが、この作品はフィクションではあるもののしっかりとその過激さや過酷さを忠実に再現しているように感じた。

 

過酷さがドストレートに伝わってくるこの作品を観てしまうと、表現という意味では他の戦争映画の表現が生温いと思ってしまう程だ。
”映画”というものから受けることの出来る衝撃を遥かに超えたものを感じることが出来ると思う。

 

そういった映像から見て取れる戦場や戦争の悲惨さは勿論だが、たった1人の兵士を救う為だけに自分は勿論、隊の仲間たちの命を懸けることに対する葛藤や、入隊するより以前の思い出話をする兵士たちの戦場とは全く違う和やかな様子など兵士1人1人の心情や、心理描写に物凄く引き込まれる。

 

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序盤のあらすじ

ある老人が家族を連れてノルマンディー米軍英霊墓地を訪れ、一つの墓の前に感極まって座り込んだ。

心配した家族が駆け寄るなか、老人は戦時中のある思い出を回想する。

ノルマンディー上陸作戦を成功させたアメリカ軍だったが、ドイツ国防軍の激しい迎撃にさらされ多くの戦死者を出してしまう。

そんな中、アメリカ陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルの元に、ある兵士の戦死報告が届く。

それはライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。

残る末子ジェームズ・ライアンも、ノルマンディー上陸作戦の前日に行なわれた空挺降下の際に敵地で行方不明になったという報告が入り、マーシャルはライアンを保護して本国に帰還させるように命令する。

引用:Wikipedia

 

冒頭にも触れた通り、この作品はフィクションだ。
だが観るたびにこの兵士たちが戦った意味というものについて考えさせられる。
この”ノルマンディー上陸作戦”は合計で約200万人をも作戦に投じて死傷率も軍事作戦の中では一際高く、それだけ見ると命の無駄遣いであったり、作戦自体の意味と問いたくなる。

 

しかし、当時は独裁国家であったナチスドイツを打倒し欧州とユダヤ人を解放するという最大の目的を果たすためにどんな犠牲が伴うとしてもやらなければならない作戦だったのだろう。

”戦争は悲惨”

”戦争は無意味”

”戦争を美化するな”

というような意見を目にすることがあるが、戦争というものはそんな単純なものだろうか。
この作品は悪戯に戦争を美化などしていない、むしろ戦争の過酷さをこれでもかと描いている。

 

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その上で映画として成立させるために、兵士の戦う意味といった要素を描いてバランスを取っているだけで、断じて美化するような作風ではないと自分は思っている。

 

ドキュメンタリー的な映像にするために暗く粗い、いい意味で埃っぽい映像や、俳優陣のまるで実際に戦地に居るのではと錯覚させられるほどの熱演に上映時間の長さなど一切気になることが無く観終わってしまう、公開から20年以上経っても全く色褪せることのない戦争映画の傑作だ。



小ネタ

本作は完全なフィクションだが、話の基になったナイランド兄弟の逸話が存在する。
約2時間49分にも及ぶ長編映画にも関わらず、撮影期間は60日間というハリウッド映画という括りで見ると驚異的な短さ。
クランクイン直前にトム・ハンクスをはじめとした出演者は、元海兵隊大尉の協力の下で新兵訓練施設と同様の訓練を10日間受けさせられた。
ライアン二等兵役のマット・デイモンは訓練を受けておらず、それは作品の雰囲気作りの為で見事に成功した。

 

 

 

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