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『gifted/ギフテッド』感想・紹介・レビュー【子供と大人のエゴ】

gifted/ギフテッド

gifted/ギフテッド (字幕版)

 

2017年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督をマーク・ウェブ、脚本をトム・フリンが務めた。

出演
  • クリス・エヴァンス
  • マッケナ・グレイス
  • リンゼイ・ダンカン
  • ジェニー・スレイト
  • オクタヴィア・スペンサー

 

タイトルにもなっている”ギフテッド”というのは、先天的に高度な知的能力を持っている人のことを指している。
その”ギフテッド”である子供のメアリーが作品の根幹に居て、メアリーの育児方針をメアリーの母の弟である主人公とメアリーの祖母で考え方の相違があり、そこから養育権を争うまで発展してしまう過程を描いている。


養育権争いという重めなテーマではあるものの、口が達者なメアリーは笑わせてくれるしギフテッドとはいえ幼い少女の一面もあり、飛んだり跳ねたり噛みついてきたりと7歳児らしい愛おしさも兼ね備えているおかげで、暗い気持ちにはならない。
そして、隻眼の猫フレッドもメインキャストばりの存在感と溢れる可愛らしさ。

 

これが良いのか悪いのかは分からないが、作品のテーマをメアリーの人間的な魅力が完全にテーマを食ってしまっていて、家族愛的な映画の印象の方が強いくらいだ。
そう表現しても過言じゃないくらい、可愛らしさと愛おしさ溢れる作品。

 

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序盤のあらすじ

7歳になるメアリー・アドラーは、フロリダ州タンパ近くの小さな町で、叔父のフランク、隻眼の猫・フレッドと一緒に暮らしている。

メアリーの親友は近所に住む中年女性のロバータであった。

学校初日、メアリーは算数の授業で驚くべき数学の才能(ギフテッド)を見せ、担任教師のボニー・スティーヴンソンを驚嘆させる。

当初、メアリーはごく普通のクラスメートたちに不満の声を漏らしていたが、飼い猫のフレッドや同級生を虐める上級生を殴りつけたお陰で親しくなっていく。

フランクは校長から、メアリーを奨学金付きでギフテッド向けの私立学校に入学させるよう勧められるが、これを断る。

引用:Wikipedia

 

この作品では終始、天才メアリーを演じたマッケナ・グレイスがまさに天才的な演技を見せてくれる。
ちょっと品のない言葉、状況を理解しているからこそ感じる孤独感、大人顔負けの冷静さ、時より爆発してしまう感情をナチュラルに演じきっている。
本当にマッケナ・グレイスがギフテッドなのではと思うくらいの熱演で、どんどん引き込まれていってしまった。

 

他の作品でも描かれることはあるが、天才的な能力を持った子供をどう育てていくのか、その能力に合った英才教育を受けさせるのか、能力に関係なく子供はのびのびと育てるのか。
そしてどちらが本人の幸せにつながるのか、というのを物凄く考えさせられる。

 

ただ、こういった作品を観ると毎回思うのだがギフテッドである当事者が観たらどう感じるのだろうか。
”IQが20離れると会話が成り立たない”というような表現がある。

 

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あくまで個人的推測に過ぎないが、これを事実とするならばギフテッドとして生まれた子供は同年代の子供と比較したら言うまでもなくずば抜けた頭の良さを持っていて、頭の良い大人と会話が出来てしまう。
ということは同年代の子供とは、知的レベルが全く合わず浮いてしまうどころか馬鹿にされることもあり得るだろう。

 

実際の所は分からないが、きちんとメアリーというギフテッドを描いてはいるが、ギフテッドというものを美化しすぎているのでは?と思う部分もあった。
映像作品として成立させるためにある程度は仕方ないのかもしれないが、感動させるための要素としてギフテッドが使われている気もする。
そう考えると実際のギフテッドの人にはもしかしたら向かないのかもしれない。

 

勿論、映像作品としては俳優陣の名演が素晴らしく見応えも満載なので良作だとは思うが、ギフテッドの映画というよりはその家族の映画という表現が正しいかもしれない。

 

 

 

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