『バーニング・オーシャン』感想・紹介・レビュー【史上最大規模の事故】
バーニング・オーシャン
2016年製作のアメリカ合衆国の海洋ディザスター映画。
2010年のメキシコ湾原油流出事故をモチーフとした災害パニック映画で、監督をピーター・バーグが務めた。
出演
- マーク・ウォールバーグ
- カート・ラッセル
- ジョン・マルコヴィッチ
- ジーナ・ロドリゲス
- ディラン・オブライエン
今作は、記憶にも新しいであろうメキシコ湾原油流出事故をモデルにしている。
メキシコ湾原油流出事故とは
2010年4月20日にメキシコ湾沖合80km、水深1,522mの海上で海底油田掘削作業中だった、BP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で、技術的不手際から掘削中の海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発し、海底へ伸びる5500mの掘削パイプが折れて大量の原油がメキシコ湾へ流出した事故。
BPによると7月16日までの原油流出量は約78万キロリットル(490万バレル)である。
1991年の湾岸戦争(推計600万バレルとも)に次ぐ規模で、1989年に4万キロリットルが流出したアラスカ州の(エクソンバルディーズ号原油流出事故)をはるかに超えた。
被害規模は数百億USドルに上ると言われている。
引用:Wikipedia
上記からも分かる通り、史上最大規模の事故だった。
この作品は、その事故前の内部の状況・事故に至るまでの経緯・事故後の惨状・事故後の対応を淡々と描いている。
ストーリーを通して、事故によって亡くなってしまった11名と負傷者17名、それに加え命がけでこの惨状と戦った作業員たちの恐怖、覚悟、怒りなどがまるでその場に居るような感覚になるほどリアルに伝わってくる。
ネットミームで「現場猫」というものがあるが、ネタで済めばどれだけ可愛いことか。
そして実際にそういったことが行われたときに失われるものがどれだけ大きいか。
序盤のあらすじ
メキシコ湾沖約80kmにある石油掘削施設“ディープウォーター・ホライゾン”で海底油田から逆流してきた天然ガスの引火による大爆発が起こり、施設内に126名の作業員が火の中に閉じ込められてしまう。
原因はスケジュールの遅れを理由に安全よりも利益を優先させた幹部が掘削再開を強行したためだった。
会社に無断で助けを呼ぶな、自分達が先だと作業員を押しのけて逃亡する幹部とその部下。そんな幹部たちとは逆に、被害の拡大を食い止めようとする作業員達は奮闘する。
こういったカテゴリーの映画で、主人公なりその近しい人物が大活躍して解決出来ました、めでたしめでたしというような展開は一切ないのも評価出来る。
如何に人という物が傲慢で強欲、そして無力なのかを思い知らされることになる。
意見や感想は様々合っていいとは思うが、展開が退屈だとか、盛り上がりに欠けるとかそういう評価をチラホラ見受けるとちょっと違和感を覚えてしまう。
そもそもこの映画はエンターテインメントを重視しているわけじゃない。
実際にあった物事からの教訓という面が強いだろう。
それにエンターテインメント性が無いか?と言われたらそんなこともないと思う。
パニック映画として考えたら、事故前のハラハラ感や爆発事故直後からその後のリアルな描写、あの状況での人間の心理等が上手く描かれていて見応えも十分ある。
改めて「人間の技術に人間の精神が追いついていない」と思わされた作品だ。
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