『ハミングバード』感想・紹介・レビュー【シナリオ重視のステイサム】
ハミングバード
2013年にイギリスで制作されたアクションスリラー映画。
監督・脚本をスティーヴン・ナイトが務めた。
出演
- ジェイソン・ステイサム
- アガタ・ブゼク
- ヴィッキー・マクルア
- ベネディクト・ウォン
- ヴィクトリア・ベウィック
ジェイソン・ステイサムが主演を務めた作品ではあるが、『ワイルド・スピード』『トランスポーター』シリーズの様なゴリゴリのアクションを期待してしまうと物足りなさを感じてしまうと思う。
アクション要素は要所要所でコンパクトに盛り込まれていてどちらかというと
・主人公の悲哀
・置かれた環境の変化
・暗い過去を持つ修道女との微妙な関係性
・心を開いた少女を殺されたことによる復讐心
・逃げ出してしまった家族への愛
・裏社会での人間模様
などの様々な要素がバランスよく絡み合ったシナリオ重視の作品に仕上がっていて、あまり観る事のできないジェイソン・ステイサムを垣間見ることが出来る。
本来ジェイソン・ステイサムはこういった演技も難なくこなす人なのだが、元飛込み選手であの肉体美だとどうしても「アクション」に偏るのも仕方ないのかもしれないが。
序盤のあらすじ
アフガニスタンの戦場で5人の仲間たちを目の前で殺された特殊部隊の兵士ジョゼフ・スミスは、その報復として無関係の民間人を5人独断で殺害していく。
当然これは軍法違反であり、その姿は無人偵察機「ハミングバード」によってしっかりと監視されていたため、ジョゼフは軍からの逃亡を余儀なくされる。
殺害容疑の軍法会議から逃亡したジョゼフは、ロンドンでホームレスに姿を隠して生活していた。
妻子もからも離れ、惨めな彼の境遇を慰めてくれるのは唯一心を開いた同じホームレスの少女イザベルであった。
ギャングによるホームレス狩りの際、ドラッグと酒に溺れていたジョゼフはギャングにさんざん殴られ、たまたま逃げ込んだ高級アパートメントに隠れたが、そこの住人ダイモンは半年以上もニューヨークに行っており不在であったため、ダイモンの"彼氏"を装ってそこで生活をはじめる。
引用:Wikipedia
ストーリーの展開の仕方や、映像から受ける印象がいわゆるヨーロッパ映画のような常に少し気だるい空気感がありながらも美しい街並みやキャラクターたちのやり取りで、退屈することなく見続けられる。
とあるシーンで、修道女が主人公に写真とそれについての報告をするのだが、その際の修道女の表情や間が絶妙でもしかしたら自分へ好意を向けてくれるかもしれないという淡い恋心と、そんなことを考えてはいけないという修道女としての葛藤が伝わってきてグッときた。
あれは修道女を演じたアガタ・ブゼクの儚さを感じる美しさや、芯がしっかりあるにも関わらず今にも崩れそうな声の出し方が視聴者をそう思わせるのだろう。
雰囲気、シナリオ重視の作品で尚且つラストの展開は人によって思う事はあるかもしれないが、様々な感情が心に湧き出てくるようなそんな作品だった。
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