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『エネミー・オブ・アメリカ』感想・紹介・レビュー【硬派アクションの名作】

エネミー・オブ・アメリカ

エネミー・オブ・アメリカ (字幕版)

 

1998年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンスアクション映画。
監督をトニー・スコット、脚本をデビット・マルコーニが務めた。

出演
  • ウィル・スミス
  • ジーン・ハックマン
  • ジョン・ヴォイト
  • レジーナ・キング
  • ローレン・ディーン
  • バリー・ペッパー

 

テロ防止法を巡って起きた暗殺事件の証拠であるビデオを、偶然掴んでしまった弁護士が事件の首謀者に追われながらもその陰謀に挑む姿を描いた今作。

 

今作をの監督を務めたトニー・スコットは、兄であるリドリー・スコットと比較されて過小評価されがちではあるが、今作や他作品からも分かる通りストーリーの展開の仕方、映画的な描写の面白さは勿論のこと、非常に現代的なテーマを扱いながらもしっかりとエンターテインメントに仕上げてくるその監督としての力量は兄とは違う素晴らしい才能を持っていると思う。

 

純粋な告発、法廷物としては『ペリカン文書』(1993)『ニューオーリンズ・トライアル』(2003)と比較してしまうと後塵を拝するかもしれないが、良く出来ていて分かりやすいシンプルなストーリーの中に上手く胸焼けしない程度にアクション要素を取り入れていてバランスの良い作品に仕上がっている。

 

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重厚でリアリティに溢れた観たあとに疲労感を感じるほどのサスペンスを観たい人には物足りないかもしれないが、軽めのサスペンス要素を求めている人にはピッタリの作品といえる。

 

序盤のあらすじ

アメリカ連邦議会ではテロ対策のための「通信の保安とプライバシー法」案を巡って議論が交わされていた。

この法案は、犯罪やテロを防止するものと説明されていたが、法執行機関による監視権限を拡大し、一般市民のプライバシーを大幅に侵害する恐れがあった。

国家安全保障局(NSA)の高官トーマス・ブライアン・レイノルズは、法案を可決させるべく、強硬な反対派の下院共和党議員フィリップ・ハマースリーを、目撃者のいない湖畔で暗殺させる。

レイノルズの思惑通りハマースリーの死は心臓発作による事故死とされた。

だが、殺害の一部始終が、渡り鳥を観察するために設置されていた無人カメラに録画されていたことを、事件現場を偵察していたレイノルズの部下が気づく。

レイノルズは、この事態に対処するため、海兵隊の特殊部隊員数名を工作員としてスカウトする。

引用:Wikipedia

 

トニー・スコットの作品を観るたびに思うのだが、他監督とは比べられないほど明確なテーマ性があり、それを現代という社会の中で取り扱う姿勢は素晴らしい。
歴史スペクタクルやアクション大作、SF話題作として人気の出るような映像的に派手さのある映画ではないが、扱いづらいテーマを変な表現で逃げるのではなくストレートに表現し、そのまま勝負していくことの出来る数少ない監督だろう。

 

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昨今、様々な会社や組織での情報漏れというものが問題となる。
そういった問題に一石を投じる内容となっていて、ストーリーはフィクションではあるものの、現実でも起こりうるリアリティさを追及していて1度は鑑賞しておきたい作品だ。

小ネタ

NSAは当初撮影への協力を完全否定していたが、出演者にNSA高官の娘がいたのもあり外観の撮影と内部の限られた部屋の見学のみ許可された。
ただし職員への質問は禁じられ、地下にあるといわれるコンピュータールームへの立ち入りも許されなかった。
そのため、撮影では元職員の証言や文献資料に頼らざるを得なかったが、本作でNSAが使う技術はほとんどが実際に使われているものだという。

 

 

 

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