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『ザ・バンク 堕ちた巨像』感想・紹介・レビュー【リアリティ重視のサスペンス】

ザ・バンク 堕ちた巨像

ザ・バンク 堕ちた巨像 (字幕版)

 

2009年に公開されたアメリカ・ドイツ・イギリス共同制作のサスペンスアクション映画。
監督をトム・ティクヴァ、脚本をエリック・ウォーレン・シンガーが務めた。

出演
  • クライヴ・オーウェン
  • ナオミ・ワッツ
  • アーミン・ミューラー=スタール
  • ウルリク・トムセン
  • ブライアン・F・オバーン

 

今作は1980年代にマネーロンダリングや金融犯罪を犯し、1991年に経営破綻したThe Bank of Credit and Commerce International=BCCI=国際商業信用銀行と言う金融機関をモデルに、インターポールの捜査官とアメリカの地方検事がIBBCという商業銀行が加担した金融犯罪をクライヴ・オーウェンらしさ溢れる知的なガンアクションを盛り込みつつ描いている。

 

純粋なサスペンス映画として観ると、サスペンスを構築する謎の深さに難解さやテンポは突出したものはそこまで感じないが、舞台となっている世界各国を代表する建造物を背景に流れていく映像はそれだけでその世界観に引き込まれる美しさ。

 

そして銀行を相手取ったサスペンスというのは、そこまで多くないのでそういった意味では珍しい設定なのではないだろうか。
銀行と政府や反政府組織との癒着は勿論の事、テロや犯罪組織が関わっている様をリアリティを感じるようにしっかりと工夫され組み込まれているのも素晴らしい。

 

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このリアリティを感じさせる設定に俳優陣も一役買っていて、主人公を始めとして相手もアクション映画にありがちな超人的な格闘術や身のこなし、ガンスキルなどは一切持たずに地に足のついた演技でエンターテインメントで魅せるというよりも、リアルさで魅せてくる作りで正統派といったところ。

 

序盤のあらすじ

国際メガバンクIBBCの違法行為を捜査するインターポールのルイ・サリンジャーの目の前で証人が死ぬ。

ベルリンに検事補エレノア・ホイットマンを呼ぶが、警察からドイツ国内での活動を禁じられてしまう。

インターポール本部に戻ったサリンジャーは証人の関係者の死に関する報告に矛盾を発見、ルクセンブルクのIBBC本部に乗り込む。

頭取との面会は断られ、矛盾も修正されていたが、IBBCの犯罪を知る重要人物の情報が入る。

 引用:Wikipedia

 

刑事を主人公に据えた作品は数多く存在する。
そして同系統の作品に多いのが、必要なのか良く分からない恋愛要素と簡潔に描けばいいのに長々と説明的な演出で主人公の背景を描く作品。
勿論その要素を盛り込んでいてもしっかりと、サスペンス要素を薄くせずに成立している作品もあるのだが、そうじゃない作品が多いこと多いこと・・・

 

そんな感じになってしまうのであればその要素ごと取っ払えばいいのに、と毎回思ってしまう。
今作はその心配が無く観れたのはかなり良かった。
作風が似てるわけではないが、『ダーティハリー』や『フレンチ・コネクション』のような感覚で観る事が出来るので割とお気に入りだったりもする。

 

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ただ、今作は今作で前半は話の展開含め色々盛りだくさんなのだが、それと比較すると後半は急に失速したように内容がスカスカになってしまうのが正直残念ではある。
その分銃撃戦シーンは背景の建造物も見事で見応えはあるから、相殺している?かも。

 

サスペンス要素のあるアクション映画を、世界各国の歴史的建造物や空撮の映像美とともに楽しみたい人にはピッタリな作品。

 

小ネタ

作品に出てくるIBBCのモデルは1991年に経営破綻したルクセンブルクを中心に展開していた国際商業信用銀行。
グッゲンハイム美術館は巨大なレプリカを製作し撮影を行った。

 

 

 

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