洋画な日常

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『幸せのちから』感想・紹介・レビュー【絶望と希望と親子】

幸せのちから

幸せのちから (字幕版)

 

2006年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督はガブリエレ・ムッチーノ、脚本をスティーヴン・コンラッドが務めた。
原題は”The Pursuit of Happyness”でアメリカ独立宣言における「幸福の追及」に由来するが「Happiness」ではなく「Happyness」になっているのは託児所の落書きにあったスペルミスから来ている。

出演
  • ウィル・スミス
  • ジェイデン・スミス
  • タンディ・ニュートン
  • ブライアン・ホウ
  • ジェームズ・カレン
  • ダン・カステラネタ

 

ウィル・スミス、ジェイデン・スミスの親子共演となった今作。
ストーリーは実在するクリス・ガードナーの半生に基づいていて、作品をきちんと観た人なら顔を知らなくても気づくかもしれないが、実は作中に少しだけクリス・ガードナー本人が登場している。

 

タイトルやポスターのイメージから典型的なお涙頂戴と思う人も多いかもしれないが、そんなことは一切ない。
映像化するにあたり、実話を基にしているとはいえ多少の脚色はしているだろうが、絶望感しかないどん底の生活から財を成すサクセスストーリーを、親子の愛情と絆、アメリカンジョーク的なコメディ要素も取り入れつつバランスよく描いている。

 

様々な種類の作品に出ているウィル・スミスの存在感表現力に、息子であるジェイデン・スミスが実の父親が作品内でも父親役だからというのもあるかもしれないが、自然体の演技で親子の必至に生きる様がストレートに伝わってくる。

 

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よく”希望を捨てない”という言葉を目にしたり耳にするが、これをどんな状況化でも実行するというのがどれだけ難しい事か。
人生は努力すれば報われるなんていう甘いものではない、しかし主人公はその不条理を誰からも文句を言わせないほどの努力でねじ伏せていく。

 

序盤のあらすじ

1981年のサンフランシスコ。

妻リンダと息子のクリストファーと暮らすクリス・ガードナーは、骨密度を測定する新型医療器械のセールスをしていた。

大金をはたいて仕入れた時にはこの機械を「革命的な機械」と信じ、妻とともに希望にあふれていたが、いざセールスをしてみるとその機械は病院関係者にとって「レントゲンより少し鮮明に見える程度で高価な贅沢品」という無用の長物であった。

そのため機械のセールスはうまくいかず税金も滞納し、妻のパートでなんとか乗り切る苦しい生活を送っていた。

そんなある日、彼は路上で「真っ赤なフェラーリ」を見かけて思わず持ち主に二つの質問をする。

「あなたに二つ質問がある。仕事と、その仕事にどうやって就いたんだ?」

引用:Wikipedia

 

こういった映画のレビューや感想で偶に見るのだが、「子供が居るんだから当たり前」というのは違和感がある。
勿論言わんとしていることは分かるし、そう思うのも当然かもしれないが「当たり前」と表現している人の何人がクリスと同じ状況なんだろうか。

 

あの状況まで落ちれば人間は何をするか分からない上に、逃げるやつは逃げる。
ただ単純に家族が居るから自分もそうするというのは、安易すぎるのではないだろうか。

 

クリスはどんな状況だとしても自らを突き動かす確固たる理由を持ち続ける事の出来る強さを持った稀有な存在なんだったんだと思う。
この生活から抜け出したいという思いだけでなく、自分の様に父親を知らずに育ったという境遇を自分の息子に味わわせたくないという強く揺るぐことのない愛情。

 

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この映画を観るたびに、自分がもしこの状況だったら同じような事が出来るだろうかと考えるが、やはり実際にこうなってみないと分からないのだろう。
クリスの心の強さの一片でも自分が持ち合わせていたいと思わされるサクセスストーリーの傑作。

 

 

 

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