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『ブラック・クランズマン』感想・紹介・レビュー【あからさまな差別】

ブラック・クランズマン

ブラック・クランズマン (字幕版)

 

2018年に公開されたアメリカ合衆国の伝記犯罪映画である。
監督はスパイク・リー、主演はジョン・デヴィッド・ワシントンが務めた。
本作はロン・ストールワース(英語版)が2014年に上梓した『ブラック・クランズマン』を原作としている。

出演
  • ジョン・デヴィッド・ワシントン
  • アダム・ドライバー
  • トファー・グレイス
  • コーリー・ホーキンズ

 

1970年代に実際にあった潜入捜査を元にした映画である今作。
KKKの内部が克明且つ鮮明に描かれ、彼らの黒人やユダヤ人などへの憎悪を目の当たりにする事が出来、人によっては気分が悪くなるのではないだろうか。
そのくらい凄まじい印象を受ける事の出来るシーンが随所に存在し、目を離すことが出来なくなる。

KKKとは

KKK=ク・クラックス・クラン。
アメリカ合衆国の秘密結社で白人至上主義を掲げる団体。
白人至上主義団体と表現されることが多いが、実際には北方人種至上主義と言ったほうが正しい。(ノルディック・イデオロギー)
黒人、アジア人、ヒスパニックなどの多人種の市民権に異を唱え、カトリックや同性愛者の権利運動、フェミニズムなどに対しても反対の立場を取っている。

 

日本という国で生活をしていると、こんなにも「あからさまな差別」を実際に目にすることは少ないが故にただただ恐怖を感じるシーンなだけかもしれない。
しかし、当時とは形が違うが現在進行形で蔓延っている問題でもある

 

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序盤のあらすじ

1972年、ロン・ストールワースはコロラド州コロラド・スプリングスの警察署でアフリカ系アメリカ人(黒人)として初めて警察官に採用される。

警察署内ですら人種差別が残る中、ロンは見習い潜入捜査官として元ブラック・パンサー党のクワメ・トゥーレの演説会に派遣され、地元の黒人学生自治会長で黒人解放活動家のパトリスと出会い、親交を深める。

晴れて情報部に正式配属されたロンは白人至上主義クー・クラックス・クラン(KKK)の新聞広告に電話をかけ、白人のレイシストを装ってKKK支部の幹部と面会する約束を取り付けた。

同僚のユダヤ系警官フリップ・ジマーマンが潜入担当、ロンは電話連絡担当として、二人一役でKKK志願者を演じることになる。

引用:Wikipedia

 


1970年代のアメリカにおける黒人の社会的な地位、ユダヤ人との対立などがひしひしと伝わってくる仕上がりになっている。

 

対KKKと言っても、凄惨な活動を露骨に演出するというようなことは無く、かと言って黒人側の過度な反対運動シーンを取り上げるわけでもなく、「差別」に対する意識をうまく引き出しながら軽快なテンポで展開していくストーリーは「映画作品」として上手くまとまっていると感じた。

 

スパイク・リー監督の作品は数々あり、今作はその中でも政治的な主張と、娯楽作品とのバランスが絶妙に取れた傑作。

 

上映時間が2時間15分と観る前は長いと感じるかもしれないが、時間など気になる暇もなく映画が終わると思うので是非見てほしい。