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『キャスト・アウェイ』感想・紹介・レビュー【人生の漂流】

キャスト・アウェイ

キャスト・アウェイ (字幕版)

 

2000年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督をロバート・ゼメキス、脚本をウィリアム・ブロイルズ・ジュニアが務めた。

出演
  • トム・ハンクス
  • ヘレン・ハント
  • ニック・サーシー
  • ジェニファー・ルイス
  • ピーター・フォン・バーグ
  • クリス・ノース

 

序盤のあらすじ

1995年12月。

チャック・ノーランド(トム・ハンクス)はフェデックス倉庫の生産性解決に世界中を飛び回るシステムエンジニアである。

彼はテネシー州メンフィス在住のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と長年付き合っている。

親族と過ごすクリスマスの最中、チャックはマレーシアでのトラブル解決のため呼び出される。悪天候のため、彼の乗った貨物機は太平洋に墜落する。

彼は沈みゆく機体からただ一人脱出し、緊急用救命ボートに乗り込み意識を失う。一夜明け気付くと、ある島の海岸に漂着している。

そこは、クック諸島の南方600マイルに位置する島であった。

彼か島を探検すると、無人島であることが判明する。

引用:Wikipedia

 

今作は、ロバート・ゼメキスとトム・ハンクスの『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)以来2度目のタッグとなる作品。
とある無人島(撮影に使用されたのは実在するモンドリキ島)にタイトルの通り漂着(キャストアウェイ)した1人の男のサバイバル生活を描いていて、作中のほとんどのシーンをトム・ハンクス1人で演じている。

 

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ただ、サバイバル生活を描いている作品ではあるのだが単純な1人の男が無人島で如何にしてサバイバルしていくかというだけではない。
人の人生そのもののキャストアウェイ(=漂流)を同時に描いている。
墜落した飛行機に乗り合わせ、運が良いのか悪いのか無人島に流れ着き、無人島という過酷な環境を生き抜いていく主人公だが、元の生活に戻っても過酷な環境という意味では変わらないのかもしれないと思わされる。

 

今作の最大の魅力は人間という生物の生命力への称賛と、人間はあくまでも社会的生物であるということを改めて考えさせられるとともに、現代へのアンチテーゼだろう。
主人公の職業は世界中を飛び回るFedexの社員。
長距離の移動、時間の正確性などを要求される業界で長らく生きてきたという設定だからこそ、無人島という時間の概念もなく狭く限られた中でしか身動きが取れないサバイバル生活がこれでもかと活きてくる。

 

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作品の前半部分では、水、火、食糧を確保するという事が如何に困難で如何に重要かを視聴者に分からせることで、生死を分けるギリギリのサバイバルに引きずり込んでいく。
1度この世界観に引きずり込まれてしまえば、主人公のチャックとともに知恵や知識のすばらしさ、生きるということの難しさ、生命の力強さや尊さ、社会的生活が送れる事の有難さをこれでもかと感じる事だろう。

 

この序盤で繰り広げられる1分1秒を争うサバイバルの様子と、ラストシーンの周囲に広がる広大な景色を見回す様子の対照的な演出の仕方が素晴らしく、今作のまとめ方としてこれ以上ないと思わされた。
映像的な派手さがある作品ではないかもしれないが、これは確実に名作の1つに並ぶであろう素晴らしい作品だった。



小ネタ

トム・ハンクスは役作りのために22.7㎏もの減量をした。
今作はトム・ハンクスが設立した制作会社である「プレイトーン」の第1作目。

 

 

 

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