『ザ・フォージャー 天才贋作画家 最後のミッション』感想・紹介・レビュー【親子の姿】
ザ・フォージャー 天才贋作画家 最後のミッション
2014年に公開されたアメリカ合衆国のクライムサスペンス映画。
監督をフィリップ・マーティン、脚本をリチャード・ドヴィディオが務めた。
出演
- ジョン・トラボルタ
- クリストファー・プラマー
- タイ・シェリダン
- アビゲイル・スペンサー
- アンソン・マウント
- マーカス・トーマス
- ジェニファー・イーリー
序盤のあらすじ
天才的な腕を持つ贋作画家のレイは、刑務所から一刻も早く出所するため、犯罪組織のボスであるキーガンと裏取引を行った。
そうまでして彼が出所したかった理由は、最愛の息子であるウィルがガンにより余命が少ないと知ったためであった。
出所後ウィルとの再会を果たしたレイは、何とか父と子の間に出来た溝を埋めようと「どんな願いも3つ叶えてみせる」という約束をウィルと交わす。
それからレイはウィルが望むことを出来る限り叶えていき、父と子の関係はぎこちなくも次第に改善していくのだった。
引用:Wikipedia
今作は、天才的贋作画家の主人公がガンに罹ってしまった息子の傍に居るために、組織のボスに手をまわして早期出所したものの、その代償としてボストン美術館にある「とある名画」を盗み主人公が書いた贋作とすり替えるという、無茶な命令を受けた主人公が詐欺師でもある父親を含めた4人で、誰もが驚く作戦を実行していく様を描いた作品。
完全に個人的な意見にはなるが、この作品の最大の魅力は主人公のレイを演じたジョン・トラボルタの演技だ。
多くの人が『サタデーナイトフィーバー』のイメージだったり、テロリストや悪役のイメージを未だに持っている人が多いであろうジョン・トラボルタだとは思うのだが、とても人間味あふれるヒューマンチックな役柄がドンピシャにハマっている。
元々細かい心理描写を必要とする、基本的には難しい役どころこそジョン・トラボルタは本領を発揮するタイプだと思っていたのもあって、より一層今作の演技が光って見えた。
勿論、歳を重ねた事によってそういった役柄が合うようになったというのもあるとは思う。そして、若い頃のイメージを長い間引きずってしまう俳優が多く、そのイメージをどのタイミングで逸脱するかというのは中々難しい部分で、ジョン・トラボルタもその1人だったがやっと「来たな」と思わせてくれる作品だった。
ストーリー的にも、単純な絵画をベースとしたクライムサスペンスというだけでなく、1つの何処にでもあるような家族愛をしっかりと描きつつも、心地よいミスリードなども盛り込みつつ上手く作品に落とし込んでいる。
一応カテゴリーは「サスペンス」「クライムアクション」というような形にはなっているが、主人公である天才贋作画家のヒューマンドラマとも言えるかもしれない。
末期のガンに限った話ではないが、人生の瀬戸際が自分や家族などに訪れることは誰にでもあるだろう。
そんな時だからこそ、愛する者同士で心の底から「今だからこれがやりたい」という本能から来る望みをさらけ出し、共有し、解決していこうとする様は色々と考えさせられるシーンだった。
勿論、今作の場合は親が服役していたり麻薬の常習者だったりとイレギュラーな部分が多々あって、実際は同じようにはならないとは思うが、こういう親子関係が故に言える台詞やお互いが「あるべき親子」を必死で演じようとする姿を見ているとそれだけで込み上げてくるものがあるいい作品だった。
↓↓Prime Video無料体験はこちら↓↓