洋画な日常

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『スリーデイズ』感想・紹介・レビュー【冤罪と妻】

スリーデイズ

スリーデイズ (字幕版)

 

2010年に公開されたアメリカ合衆国のアクション映画。
監督・脚本をポール・ハギスが務めた。

出演
  • ラッセル・クロウ
  • エリザベス・バンクス
  • ブライアン・デネヒー
  • レニー・ジェームズ
  • オリヴィア・ワイルド
  • タイ・シンプキンス

 

序盤のあらすじ

『ドン・キホーテ』などを講義する大学教授のジョンは愛する妻子とともに幸せな毎日を過ごしていたが、ある朝警察が自宅に突入して妻のララが殺人容疑で逮捕されてしまう。

3年が経ち、ジョンは一人で息子を育てながら、妻の無実を証明するため懸命に奔走していた。

しかし、裁判でララに不利な証拠が提出され、覆ることなく遂に殺人罪が確定してしまう。絶望し、獄中で自殺未遂を起こしたララをみてジョンは決断を下す。

「彼女の人生と家族の幸せを取り戻す」それは命を懸けた決断だった。

 引用:Wikipedia

 

今作は、2008年に公開されたヴァンサン・ランドン主演、フレッド・カヴァイエ監督のフランス映画『すべて彼女のために』のリメイク作品で、殺人の容疑で逮捕されてしまった妻ララの無実を証明するために、たった1人で息子を育てながらも懸命に奔走する様を描いた作品。

 

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この作品の最大の魅力はストーリーの内容でも、俳優陣の演技力でもない。
それは映画前半部分のゆっくりと進む展開と、後半には一変して一気に急加速するジェットコースターのようなテンポの差だろう。
勿論、それだけが魅力というわけではなく内容や俳優陣の演技力も良いのだが、とにかくテンポの差が快感になる。

 

そして前半がゆっくり進むと言ってもダラダラと進行しているなどということはなく、心地よいまったり感。
そして視聴者がそのペースに慣れたくらいのタイミングで一気に加速していく。
俳優陣の演技もそれらに合わせられて居るのか、ストーリーだけでなく演出や俳優陣の表情などから受ける印象も前後半でガッツリ変わる。

 

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主人公を演じたラッセル・クロウの演技やキャラクター設定も素晴らしく、至って普通の大学の先生がどうにかして妻の無実を晴らそうとするその様を見事に表現しきっている。
騙され、慣れない状況を呑み込めずオロオロしていたはずの主人公が妻の為にドンドン変わっていくのを観ているとある意味では成長物語のようにも感じる。

 

相手が警察だったりと少しニュアンスは異なるかもしれないが、成長物語でもあり勧善懲悪でもあり、孤軍奮闘モノでもある。
こういったカテゴリーが好きな人にはピッタリなのではないだろうか。
個人的にはハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ出演の『逃亡者』が好きな人にオススメしたい。

 

 

 

『逃亡者』の記事はこちら

westernpainting.hatenablog.jp

 




映画である以上、都合のいい部分も存在するしあり得ないと思ってしまう部分もある。
しかしそれらをどれだけ演技や演出で納得させるかがキャストを始めとする制作側の力量だろう。
この作品はストーリー構成的には特にこれと言ったものはないかもしれないが、ラッセル・クロウの迫真の演技によって作品として成立している。

 

そしてこれは観てからのお楽しみな要素だと思うので、詳細は避けるがとある俳優がちょこっとだけ出演している。
その人が出演しているシーンは今作のその後の方向性を決定づけると言っても過言ではない重要なシーン。
本当にちょこっとなのだが、その人が醸し出す雰囲気や重みによってシーンに説得力が出ていて素晴らしかった。


普段、こういう作品の場合は主人公なり味方側の誰かしらがやたらと屈強だったり、頭脳明晰だったりする事が多いのだが、今作は至って普通。
そんな普通にしか見えない主人公である夫が、ただただ妻を助けたいという気持ちだけで動いている様子は、非日常を描く映画のワクワク感とは程遠いかもしれない。
しかし一歩間違えば自分にも降りかかるかもしれない、と考えることもできて感情移入がしやすく観やすい作品だった。

 

 

 

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