『ネイビーシールズ』感想・紹介・レビュー【対テロ戦闘ドキュメンタリー】
ネイビーシールズ
2012年に公開されたアメリカ合衆国の戦争映画。
監督をスコット・ウォー、マイク・マッコイ、脚本をカート・ジョンスタッドが務めた。
出演
- ローク・デンヴァー
- ロゼリン・サンチェス
- ネスター・セラーノ
- ジェイソン・コットル
- アレックス・ヴィードフ
序盤のあらすじ
NavySEALs"チーム7"のローク大尉は、休暇中に副官のデイブと家族ぐるみで交流し、絆を深めていた。
そんな中、コスタリカで麻薬カルテルに監禁された、CIA女性エージェント、モラレスの救出指令が下る。
ジャングルで救出したモラレスからの情報により、麻薬カルテルとイスラム系テロリストの関与が浮上する。
麻薬カルテルの大物ディーラー、クリストを逮捕するため、SEALsは海上でクリストの豪華クルーザーを急襲する。
引用:Wikipedia
今作は、アメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsの活動を描いた作品。
現役の隊員が出演しているだけでなく、作品内に登場する武器や兵器は本物を使用、更には実弾を用いて撮影が行われた。
原題は『Act of Valor(勇気ある行為)』。
この作品を観る際に知っておいて欲しいことがいくつかある。
内容としてはネイビーシールズの戦闘、作戦のシーンだけを追った異質でありながら極めて単純な映画になっている。
映画的なストーリーの展開が有るわけでもなく、演出があるわけでもなく最早ドキュメンタリー映画と言ってもいいくらいだ。
現役兵士が出演しているのもあってシーンにリアリティは出ているものの、演技のプロではないので演技に圧倒されるということもない。
となると今作の魅力は何なのか。
それは原題『勇気ある行為』を思い出すと納得できるのではないだろうか。
自らの命を懸けてアメリカという国家、家族を含めた周囲の人々を驚異から護る隊員たちに”映画的な”演出やストーリーは野暮というものだろう。
そして、映像の視点が基本的には人間が見ている視線と同じようになっているので、リアリティは勿論のこと戦場の迫力というのを肌で感じられる。
ただ、合わない人はとことん合わない作品なのも確かではある。
上記のような内容なのもあって、映画的な見せ場や山場があるような作品ではない。
それにあくまでも「アメリカ」という国の視点から見たテロだったり戦争なので、アメリカ万歳的な内容が嫌な人も居るだろう。
そもそもアメリカ自身も自ら戦争を起こしていることを踏まえたうえで、テロの定義を1度考えてみると様々思う事がある。
勿論、今作が伝えたいことはそういったことではない。
俳優による演技や映画的な演出を排し、日々過酷な任務の中でネイビーシールズ隊員たちが何を思い、考え、自らの命をささげているのか。
戦死したり任務中の死で後世まで名が残る人など皆無。
そんな名もなき英雄たちの尊い犠牲の上に、今の平穏な生活が成り立っているという事を伝えようとしている。
映画作品としての演出や脚本があるわけでもないし、キャストが個性を出している訳でも複雑な人間ドラマが描かれているわけでもないという、言ってしまえばかなり異質な作品である。
しかし、だからこそ今作からはテロや国家、隊員を含めた国民について様々なことを訴えかけてくる媒体として成立している。
かなり好き嫌いは分かれるかもしれない、だが1度観てから判断してみてほしい。
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