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『ゴッド・ファーザー』感想・紹介・レビュー【変貌していく青年】

ゴッド・ファーザー

ゴッド・ファーザー (字幕版)

 

1972年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督・脚本をフランシス・フォード・コッポラ、共同脚本をマリオ・プーゾが務めた。

出演
  • マーロン・ブランド
  • アル・パチーノ
  • ジェームズ・カーン
  • ジョン・カザール
  • ダイアン・キートン
  • ロバート・デュヴァル
  • リチャード・カステラーノ

 

序盤のあらすじ

第二次世界大戦終戦直後の1945年。

ニューヨーク五大ファミリーの一角で、最大の勢力を誇るイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」の邸宅では、ドン・コルレオーネ(ヴィトー)の娘コニーの結婚式が盛大に開かれていた。

ドンには他に3人の息子と1人の事実上の養子がおり、その中で末弟であるマイケルはただ一人裏社会には入らずに大学を経て軍隊に入り、戦場での活躍で英雄扱いを受けていた。

式に参列したマイケルは婚約者のケイを家族に紹介し、祝福される。

その華やかな雰囲気の一方で、ヴィトーは娘をレイプされた葬儀屋の男の請願を執務室にて受け、困惑しながらもその報復を部下に指示する。

また、自らが代父となった歌手のジョニーからも懇願を受け、弱気なジョニーを叱咤激励しつつ、事実上の養子であり組織の弁護士かつ顧問(コンシリエーレ)であるトムを介して、ジョニーを干そうとしていたプロデューサーのウォルツを脅し、彼が大事に育てていた雄馬の首を切り取り、彼のベッドへと放り込ませる。

引用:Wikipedia

 

今作は、第二次世界大戦終戦後のアメリカを舞台に絶大な権力を握るシチリア島出身のファミリーであるコルレオーネ・ファミリーが手を染める犯罪ビジネスと、ファミリーが崩壊の危機に立たされる様を描いた作品。
タイトルの『ゴッド・ファーザー』とはカトリック教文化において洗礼式に選定された代父母のことを指している。

 

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今作に限らないが、視聴回数が分からないくらい観ている作品の1つ。
よく「噛めば噛むほど味が出る」というありがちな表現方法があるが、まさにそれに当てはまっている。
シリーズとして面白いのは勿論、1つの作品としてしっかり作り込まれているのが素晴らしい。
正直ストーリー自体はありふれた内容なのだが、その内容を俳優陣の細かい仕草や表情に至るまでの演技、各シーンを彩るインテリアや建物、カメラワーク、ライティング、要所要所で流れてくるBGMなどによって、その「良くある話」が「傑作」に昇華させている。

 

マフィアものということ、映画の上映時間が2時間57分という長さもあって敬遠している人も多いとは思うのだが、カテゴライズ云々は関係なく「映画」としての出来が素晴らしく面白いので観ていないという人には是非お勧めしたい。
登場人物が多い上に個性も強く、その人物同士の関係性も複雑なので把握するのが1度だと難しいとは思うが、観終わった後には「もう1回観たい」と思える事だろう。

 

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ただ、流石にテーマがテーマなだけに「家族で」とか「子供と」というような映画ではないので、あくまでも善悪の区別がつく人の為に作られた至高のエンターテインメント。

 

ストーリー展開としてはアル・パチーノ演じる三男マイケルが、真面目な学生から兵隊を経て1大マフィアのボスとして変貌していくさまを描いているので、そういった意味ではサクセスストーリーとしても観れるかも?
そしてマフィアものと言えばの銃撃シーン、爆破シーンやバイオレンスさを感じさせるシーンも、ただただ単純にバイオレンスなだけでなく何処か芸術的。
これは前述したカメラワークを始めとする演出の賜物だろう。

そして時間の長さなど気にさせない俳優陣の圧巻の演技。
ヴィトーを演じるマーロン・ブランドの抑え目だがこれでもかと貫禄を感じさせる演技に目が釘付けになったかと思いきや、マイケルを演じるアル・パチーノの初々しい青年が徐々に徐々に残忍で冷酷なゴッドファーザーへと変貌していく様を見事に表現しきっていて、演技を通り越してこの世界の住人にしか見えなくなってくる。

 

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語りたいことは山ほどあるのだが、ネタバレにもなってしまいそうなのでこのへんで。
マフィアものはどうしても現実離れしているように見えてしまい、感情移入しづらい作品が多い中、今作は物悲しいまでの家族愛を見事に織り交ぜていて感情移入せずにはいられない作品に仕上がっている。




小ネタ

コッポラ監督は当初125分の作品として編集したところ、パラマウントから「こんな作品は予告編にしかならない、もっと長くしろ」と要求した。
コッポラは黒澤明作品である『悪い奴ほどよく眠る』の冒頭が結婚披露宴から始まるという展開に感心し、本作でも採用した。

 

 

 

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