『シャッター アイランド』感想・紹介・レビュー【正気と狂気】
シャッター アイランド
2010年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンスドラマ映画。
監督をマーティン・スコセッシ、脚本をレータ・カログリディスが務めた。
出演
- レオナルド・ディカプリオ
- マーク・ラファロ
- ベン・キングスレー
- ミシェル・ウィリアムズ
- エミリー・モーティマー
- マックス・フォン・シドー
序盤のあらすじ
1954年、連邦保安官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック・オール(マーク・ラファロ)ら捜査部隊は、ボストンハーバーの孤島(シャッターアイランド)にあるアッシュクリフ精神病院を訪れる。
この島でレイチェル・ソランドという1人の女性が、"The law of 4. who is 67?"(4の法則 67番目は誰?)という謎のメッセージを残して行方不明となった。
強制収容されている精神異常犯罪者たちの取り調べを進める中、その病院で行われていたマインドコントロールの事実が明らかとなる。
引用:Wikipedia
今作は、デニス・ルヘインが2003年に発表した小説『シャッター・アイランド (Shutter Island)』を原作とし、精神を病んだ犯罪者たちだけを収容する周囲を海に囲まれた”シャッターアイランド”から1人の女が姿を消す、という事件の捜査に訪れた連邦保安官が知ることになる驚愕の事実を描いた作品。
日本でこの作品が宣伝される際、「この映画のラストはまだ見ていない人には決して話さないでください」「登場人物の目線や仕草にも注目しましょう」というようなテロップが入るなど、様々な謎を含む作品。
観終わった後に作品内のあれはこうだったとか、いや違うこうじゃないか?とかここまで色々と語りたくなる作品も多くはない。
観ようとしている人には話さない方が良いのは確かだが、観た人同士で言い合いたくなる要素が物凄く多く仕込まれている。
ストーリー展開的な部分でもそうだが、登場人物の心理描写も基本は暗く重めでありつつも何処か意味ありげな雰囲気を常に醸し出しているのも、その要因の1つなのかもしれない。
そして詳細はネタバレになるので避けるが、登場人物が抱える過去のトラウマとして描かれる映像の中でそのシーンの少し前で提示された情報が散りばめられたりと、客観的に作品の謎を解明したくなるような要素も多いので観ていて飽きない。
作品のキャラクターに感情移入させるのも難しいが、作品の世界観をキッチリと理解させながらその世界観の中で展開される様々な謎をここまで考えたくさせるのも中々難しいだろう。
そのおかげもあって、テーマも含め作品は常に暗く陰気で異様なまでに閉鎖的な世界でストーリーが展開されていくのにも関わらず、しっかりと中身を観ているともう1度と言わず2度3度観たくなってしまう作品に仕上がっている。
原作が面白いというのは勿論なのだが、その面白さをしっかりと映画という映像作品に落とし込めている作品もそこまで多くないだろう。
そして複数回観て、作品のラストを含めた内容をしっかりと理解したうえでもう1度観ると様々なシーンで「なるほど」と思えることが多々ある。
登場人物の動きやちょっとした台詞など相当考えて作られているんだな、と感心させられるほどだった。
これは当たり前かもしれないが、俳優陣が1人1人しっかりストーリーを理解し演技を行っているからこそ成り立っているのだと思う。
ただ、何度も観たくなるとか考えさせられるとか言われると難しい映画で入り込みにくいのではないかと思ってしまう人も多いだろう。
しかし今作はそんなことは一切なく、誰もが何かあるのではと思うであろう音楽と映像によっていつの間にか作品の世界に引きずり込まれている。
ストーリーをしっかりと作り視聴者にメッセージを投げかけ、映画という作品として満足できる面白さに仕上げているのはかなり評価が高い。
どうしても雰囲気は暗いので、暗いというだけで苦手な人も居るとは思うのだが可能であれば是非1度観てみてほしい。
【ここからはネタバレになるので注意】
ロボトミー手術を開発した医師はノーベル賞も受賞している。
そして、当時アメリカでは当該病院が患者で溢れかえっていたという事情もあるが、様々な不都合に目を瞑りメリットだけ見て盛んに手術が行われていた。(アメリカだけに限った話ではないが)
こう考えると、具体的に何かを指している訳ではないが今現在推奨されている何かのシステムももしかしたら近い未来に禁止されたり、色々な問題が浮き彫りになるのかもしれないと考えざるを得ない。
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