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『ザ・フォーリナー/復讐者』感想・紹介・レビュー【ジャッキーの新機軸】

ザ・フォーリナー/復讐者

ザ・フォーリナー/復讐者(字幕版)

 

2017年に公開されたイギリス・中国・アメリカ合衆国合作のアクションスリラー映画。
監督をマーティン・キャンベル、脚本をデヴィッド・マルコーニが務めた。

出演
  • ジャッキー・チェン
  • ピアース・ブロスナン
  • オーラ・ブラディ
  • レイ・フィアロン
  • チャーリー・マーフィ
  • スティーヴン・ホーガン
  • マイケル・マケルハットン

 

序盤のあらすじ

クァン・ノク・ミンはロンドンでチャイニーズ・レストランを経営していたが、ある日娘のファンの送迎中、爆発テロに巻き込まれ目の前で娘の命を奪われてしまう。

その後、北アイルランド解放を謳う過激派組織が犯行声明を出す。

クァンは、かつて過激派組織の活動家だったが現在は北アイルランド副首相となっているリアム・ヘネシーとコンタクトを取り、犯人の名前を教えるようにリアムに迫るが、リアムは無関係を主張し、彼を帰してしまう。

しかし、クァンはベトナム戦争時代、アメリカの特殊部隊に所属していた優秀な工作員だった。

やがてクァンはリアムを追跡するようになり、クァン、リアムとその一派、過激派組織の三つ巴の戦いが始まっていく。

引用:Wikipedia

 

今作は、スティーブン・レザーが1992年に発表した小説『チャイナマン』を原作とし、ロンドンでレストランのオーナーとして家族と平穏な生活を送っていたが、無差別テロによって愛する娘を奪われた男の静かに燃え上っていく復讐の炎を描いた作品。

 

この復讐劇の主人公をジャッキー・チェンが演じている訳だが、過去の有名作からのイメージからは中々想像出来ない役柄だと思う。
恐らくほとんどの人が「軽快でスピーディーなコメディと流れるような迫力満載のアクション」というようなイメージをする人が多いだろう。

 

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今作はそんな雰囲気は一切なく、まさしくジャッキーの新機軸といったところ。
キャラクターの根幹として「老い」というものを武器にし、感情を抑えたシリアスな演技が光っていて個人的には好きだった。
そしてこれは良い点でも悪い点でもあるのだが、基本的に今までのジャッキー・チェンの主演作というのはジャッキーという偉大な存在ありきの作品が多かった。

 

今作はジャッキーありきではなく、しっかりと考えて作られている印象を受けた。
物語の進行の仕方が主人公の復讐劇と、首謀者の真相が明かされる様が同時進行的に進むミステリー的な展開を主人公が合間を縫うように前進していく姿は中々面白い。

 

ただ、本来は相手役が明確でその人物像も冒頭で描かれているからこそ復讐劇というのは成立する話なのだが、同時進行するミステリー的な作りかたのせいで視聴者が明確な理由を持った主人公と明確な悪役という構図が見れずに感情移入はしにくい。
復讐劇の典型的な作りに新たな角度で挑戦したという意味では一定の評価はするが。

 

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そのチャレンジングな姿勢はいいのだが、演出の仕方がどっちづかずになってしまっている部分も少なくないのは正直残念。
主人公の設定として、静かに感情を高めていくような笑わないシリアスなキャラクターにしたいように見えるのにも関わらず、アクションシーンで打撃連打の際「ハイハイハイッ」という如何にもジャッキーのコミカルアクションとも取れる演出が有ったりと、どういう方向性で作ってるんだろうなと思ってしまった。

 

そこもシリアスにしてしまうと設定も含め完全にリーアム・ニーソン主演の『96時間』になってしまうのもあるのだろうが。
個人的にはあまり多くないシリアスめのジャッキーが見れたという事や、ジャッキーとピアース・ブロスナンという珍しい組み合わせが見れたのでそういう意味ではそれなりに楽しめたのでそこまで文句はない。

 

いわゆる視聴者が感情移入出来る「復讐劇」をシリアスに描きたかったのだとは思うが、色々考えすぎてしまったのかどっちづかず感が出てしまっている点が気になる人も多いとは思うが、それなりに楽しめる作品には仕上がっていると思う。

 

 

 

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