洋画な日常

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『ソルト』感想・紹介・レビュー【彼女の目的とは】

ソルト

ソルト (字幕版)

 

2010年に公開されたアメリカ合衆国のスパイアクション映画。
監督をフィリップ・ノイス、脚本をカート・ウィマーが務めた。

出演
  • アンジェリーナ・ジョリー
  • リーヴ・シュレイバー
  • キウェテル・イジョフォー
  • ダニエル・オルブリフスキー
  • アウグスト・ディール
  • ハント・ブロック

 

序盤のあらすじ

ある日、CIAの元にロシアからの亡命者オルロフが出頭。

女性諜報員のイヴリン・ソルトが尋問するとオルロフは、かつて旧ソ連時代に訓練を受け、ソ連崩壊後もクレムリンの意向とは別にアメリカに潜入している多数のロシアのスパイたちは一斉に蜂起する時「Xデー」を待っており、その中の1人が近く行われるアメリカ副大統領の葬儀でそこに出席するロシア大統領を暗殺する計画があると話し、更にそのスパイの名は「イヴリン・ソルト」であると告げる。

それはすべてオルロフやイヴリンたちロシアのスパイしか知らない事実だった。

引用:Wikipedia

 

今作は主人公である”イヴリン・ソルト”がCIAのスパイなのか、それともロシアの二重スパイなのか、はたまた陰謀に巻き込まれたのかという大きな疑問によってストーリー展開がなされていく。
ロシアの二重スパイと思わせるかのようなシーンがあったかと思えば、CIAのスパイと思わせるようなシーンが映し出されたりと気持ちの良い混乱を与えてくれる。

 

ストーリーは全体的に登場人物の心理描写が掴みにくかったり、シナリオに工夫は見て取れるものの若干無理がありすぎる点もあり、そういった部分には違和感というか疑問が残るが、冒頭から緊張感のあるシーンの連続で一気に引き込まれるのも事実。

 

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そして様々な逃亡シーンや、とあるエレベーターでのシーンのアンジーが魅せるアクションが素晴らしい。
スピード感と豪快さを両立したかのような身のこなしとカメラワークによって、見応えのあるものになっている。

 

基本的にはアンジーが演じるソルトが孤軍奮闘するわけだが、そういう展開方法にするのであればもう少し工夫が欲しかった。
ソルトのアクションシーンなどは格好良いのは間違いないのだが、ソルトメインで話が進むので目立ってしまう点がある。

 

それはソルトの行動の動機や人物の背景がきちんと描かれていないが故に、シーンの説得力に欠けること。
主要人物全員とは言わないが、せめて孤軍奮闘するようなストーリーなのであれば主人公のソルトだけでももうちょっと丁寧に背景を描いても良かったような気はする。

 

それもあってか、ソルトという複雑な立場、設定の役柄の魅力を活かしきれていないように感じた。
アンジェリーナ・ジョリーの演技力が問題という訳ではなく、演出の仕方が不十分。

この作品の根幹とも言えるはずのソルトの目的についての説明が、物語の後半に出てくるたった1つの台詞のみで片付けていたりと、乱暴な面も見えるのが残念。

 

序盤からの展開のさせ方、シーンの移し方、緊張感と緊迫感を良いバランスで保ちながら進められているので、その辺りをもう少し詰めていたらさらに深く楽しめる作品になったのではないだろうか。

 

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アンジェリーナ・ジョリーが演じる『トゥームレイダー』のララ・クラフトのように美しく強い女性が好きなのであれば恐らく楽しめる。
アンジェリーナ・ジョリーにさほど興味がなかったり、内容の構成等を気にしてしまうタイプの人は楽しめるかと言われると若干疑問が残る、色々な意味で惜しい作品だった。

 

小ネタ

当初はトム・クルーズ主演で制作される予定だった。
代わって主演となったアンジェリーナ・ジョリーの希望により、夫のブラッド・ピットがカメオ出演するよいう話があったが、結局実現しなかった。

 

 

 

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