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『500ページの夢の束』感想・紹介・レビュー【何かが心に残る作品】

500ページの夢の束

500ページの夢の束(字幕版)

 

2017年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督をベン・リューイン、脚本をマイケル・ゴラムコが務めた。

出演
  • ダコタ・ファニング
  • トニ・コレット
  • アリス・イヴ
  • リヴァー・アレクサンダー
  • パットン・オズワルト
  • マータ・ギブズ

 

今作は脚本も務めたマイケル・ゴラムコの短編戯曲『Please Stand By』を原作とし、『スタートレック』が大好きでその知識では誰にも負けない自閉症のウェンディが、脚本コンテストに応募するために愛犬ピートとともに、ハリウッドへの長い長い旅に出る壮大な奮闘劇を描いた作品。

 

述べたように『スタートレック』という作品が主人公の行動理由の大きな1つなので当然かもしれないが、『スタートレック』を知っているかどうかで今作の理解度の深さは変わってくる。

 

原作タイトルであり、今作の原題である『Please Stand By』というのも『スタートレック』内で転送装置で出かける際に使われる決まり文句だったりする。
他にも色々知っていると今作を見るにあたってメリットがあるので、もし時間や機会があるようならちょっと調べるなりするといいかもしれない。

 

序盤のあらすじ

『スタートレック』の並外れた知識を持つ自閉症のウェンディはグループホームで暮らし、スコッティのケアを受けている。

姉オードリーが現れ、ウェンディに娘の写真を見せ、二人が住んでいた家を売ることにしたと話す。

パラマウントピクチャーズ社の『スタートレック』の脚本コンテストに参加しようとしている。

ウェンディはコンテストの賞金で家を買いもどすと言うが、オードリーは納得しない。

ウェンディはコンテストへの脚本投稿の締め切りを逃し、直接持ち込むことにする。

そのため、500ページの原稿を持ってハリウッドへ旅に出る。

引用:Wikipedia

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「アメリカ最強の女優」は流石の演技力に表現力だなと、改めて思わされた。
難しい役どころを彼女ならではの解釈をしたうえで役柄を理解し演じているおかげで、ステレオタイプと言われがちな自閉症キャラにはならずに、1人の人としての魅力に溢れたキャラクターになっている。

 

過去にも様々な難しい役柄を演じきっている彼女ならではの演じ方とでも言うのだろうか、役を演じるにあたっての独特な感性を感じさせてくれる。
彼女の魅力だけの作品というわけではないが、今作の魅力は結構な割合でダコタ・ファニングが占めていると言っても過言ではないかもしれない。

 

施設の近所から外に出たことのない人が、遠く離れた場所まで1人で旅に出るという事自体凄まじく勇気の必要なことだろう。
それだけ主人公は『スタートレック』を愛していて、且つ作品を作りたいという熱く強い信念があったことが分かる。

 

その旅路で遭遇する困難や不幸、そして親切で心優しい人々。
普段そこまでこの系統の映画を観るという訳ではないのだが、ハートウォーミングで心温まるストーリーもやっぱり良いなぁとしみじみと感じる。

 

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ストーリー的にはどっちかというとメッセージ性が強いわけではないのだが、それが逆にこの作品をより良い物にしている。
気軽に観ることが出来て、ダコタ・ファニングの魅力たっぷりの映像に癒され、小気味よいテンポ感が気持ちよく、観終わった後には少しだけ和んで、少しだけ勇気を貰い、少しだけ何かやってみようという気持ちになる。

 

主人公の様に何かしらの病を抱えているわけじゃなくとも、仕事だったり恋愛だったり人間関係で少しだけ前に進む勇気が欲しい、それさえあればと思う人は多いのではないだろうか。
この映画はその「少しだけ」前向きにさせてくれるほっこりとした映画に仕上がっている。


決して制作費を膨大に掛けた超大作でも、話題作でもないかもしれない。
しかし本作を観ると何かが自分の心の中に残り、その何かによって前向きにさせてくれる素敵な映画。

 

 

 

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