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『風をつかまえた少年』感想・紹介・レビュー【I try and I made it】

風をつかまえた少年

風をつかまえた少年(字幕版)

 

2019年に公開されたイギリスのドラマ映画。
監督・脚本をキウェテル・イジョフォーが務めた。

出演
  • マクスウェル・シンバ
  • キウェテル・イジョフォー
  • アイサ・マイガ
  • リリー・バンダ
  • ジョセフ・マーセル
  • ノーマ・ドゥメズウェニ

 

今作は、ウィリアム・カムクワンバとブライアン・ミーラーの回顧録である『風をつかまえた少年』を原作としている。
同時にキウェテル・イジョフォーの長編映画監督デビュー作品でもある。

 

ウィリアム・カムクワンバとは

ウィリアム・カムクワンバ(William Kamkwamba、1987年8月5日 - )は、発明家として知られるマラウイ人の大学生である。

カムクワンバはわずか14歳のときにユーカリの木(Eucalyptus globulus )と自転車の部品、および身近で入手できた廃品を利用して風車を製作し、風力発電によってマシタラ村(Masitala)にある自宅で多少の電気製品を使えるようにしたことで、世界的に有名となった。

引用:Wikipedia

 

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序盤のあらすじ

2001年、アフリカの最貧国マラウイを大干ばつが襲う。

14歳のウィリアムは飢饉による貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で一冊の本と出会い、独学で風力発電のできる風車を作り、乾いた畑に水を引くことを思いつく。

いまだに祈りで雨を降らせようとする村で、最愛の父でさえウィリアムの言葉に耳を貸さない。

それでも家族を助けたいという彼のまっすぐな想いが、徐々に周りを動かし始める。

引用:2018 BOY WHO LTD / BRITISH BROADCASTING CORPORATION

 

志や熱意というものが如何に人間にとって重要なのかというのを考えさせられる。
志、熱意、目的、目標を持って学べば自分が変わり、環境を変え、周囲の人の意識も変え、人生そのものを変えられる。
これは何処の国に居ても言えることだが、読み書きが出来るということの幸せは本当に大きい。

 

学校に行くことが出来るならある程度の知識や教養を得ることは可能だろう。
しかし、仮に学校に行けずとも読み書きさえ出来るのであれば「学ぶ」ということはいくらでも可能。
人間、生を受けてから死に至るまで勉強とは良く言ったもので、学ぶことの大切さを痛感させられる映画。

 

日本に限った話ではないが、世界的に見て恵まれた国や地域で生活をしていると「恵まれている」ということがどうしても当たり前になってきてしまう。
知識も含め物資も何でも当然のように手に入り、最低限の環境が補償されていることがどれだけ幸せな事だろうか。

 

こういった環境で暮らしている自分たちこそ、学ぶことの大切さを再度考えるべきだろう。
大人はある程度考えた上で観る事が出来るだろうから伝わるとは思うが、個人的には子供たちこそ今作を観て感じてもらいたい。

 

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映画という作品として観ても、いわゆるサクセスストーリー的な内容で尚且つ実話ベースとなるとどこかクサさを感じることが多いのだが、今作は俳優陣の見事な演技力と制作陣の話の構成力によってそういったものを一切感じずに観る事が出来た。

 

映画とは関係ないが、ウィリアム・カムクワンバが2007年にTEDでの公演で語った

”I try and I made it”

(=やってみたら、出来た)

というシンプル極まりない言葉が、ウィリアムの背景を考えるとこれ以上なく素晴らしく思え心に響いた。

 

この作品は要はモノづくりな訳だが、モノづくりだけでなく別な分野で働く人にも響く言葉ではないだろうか。
ウィリアムに比べたらとてつもなく恵まれた環境、状況に居る自分たちだったら今よりもっと出来るのではないだろうかと思えてくる。

 

自分の為に何かするのは勿論大切な事だが、ウィリアムのように他者のことを思う利他の精神を持つことも時には大切でそれによってより大きなことを成しえることが出来るのかもしれない。

 

 

 

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