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『ヘッドハンター』感想・紹介・レビュー【劣等感が故に】

ヘッドハンター

ヘッドハンター(字幕版)

 

2011年に公開されたノルウェー・ドイツのクライムサスペンス映画。
監督をモルテン・ティルドゥム、脚本をウルフ・リュンベリ、ラーシュ・ギュドゥメスタッドが務めた。

出演
  • アクセル・ヘニー
  • ニコライ・コスター
  • シヌーヴ・マコディ・ルンド
  • ユーリー・ウルゴード
  • アイヴァン・サンデル

 

序盤のあらすじ

ロジャーは、表向きは有能なヘッドハンターとして成功し、美しい妻ダイアナと誰もがうらやむような優雅な生活を送っているが、裏では美術品泥棒を働いている。

それは168cmという低身長に対するコンプレックスから、妻に贅沢な生活をさせるためのものであったが、その一方で身体だけの関係の愛人もいた。

そんなある日、画廊を経営する妻の開いたパーティで、電子機器ビジネスで成功した外国人実業家のクラスと出会ったロジャーは、彼が高価な絵画を所有していることを知ると、その絵画を盗む計画を立てる。

引用:Wikipedia

 

今作は、ノルウェーの作家ジョー・ネスボの小説『ヘッドハンターズ』を原作として描かれている。
ヘッドハンターという顔は表向きで、実際の彼は明日の生活もどうなるか分からないギリギリな状態の借金だらけの絵画泥棒が主人公。

 

ストーリー内には、裏切りや心の闇を盛り込みつつ展開の読みづらい逃亡劇にテンポの良いアクションシーンも満載。
それでいて、主人公とその妻の微妙な夫婦関係を当人の葛藤を含みつつ描いている。
色々な要素を含んではいるが、しっかりとサスペンスらしくヒリヒリする緊張感も味わえる演出は監督、脚本の力量が優れていることを感じさせてくれる。

 

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そんな作品を更に良い物に昇華させているのが、主演のアクセル・ヘニーだろう。
作中で両極端な立場のその両方を地に足ついたリアリティを損なわない見事な演技は素晴らしい。
中々ハリウッド映画だけを観る人だと知ることのない俳優陣だとは思うが、周りを固める俳優陣もこの優れた作品の魅力を最大限に引き出すことの出来る演技力の持ち主。

 

冒頭の絵画を盗み出すシーンは正直お世辞にも引き込まれる映像とは言えないが、その後の展開は目を離せないスピーディな展開で一気に持っていかれると思うので、出来たら冒頭だけで「これは失敗した」とは思わずに1時間36分と軽く見ることが出来るので是非見続けて欲しい。

 

勿論、1時間36分という時間の中でこの内容をまとめきるのは中々難しい部分があったのか、きちんと観ると引っかかる部分がないわけではない。
敵役が自分の目的のために様々な行動をするのだが、正直その行動は目的達成の為には最適とはとてもじゃないが思えない。
主人公の目的にとある技術を盗むというものがあるのだが、その技術が作中で全く明らかにならないので、盗むという行動にいまいち共感しにくい。

 

他にも気になるところがあるにはあるのだが、古来からやられ尽くしたテーマをあえて使い、主人公の低身長というコンプレックスをベースにリアリティを加え1つの作品として成立させていることを考えれば必要十分ではある。

 

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作品の展開や盛り込んでいる要素も、サスペンスにスリラーにアクションにミステリーをどれかに偏り過ぎることなくバランスよく散りばめられていて楽しみやすい。
伏線の回収方法も、仰々しい演出をすることなくスムーズにテンポよく行われるのも観ていて気持ちが良い。

 

ラストはある程度上手くいきすぎ感はあるが、それはそれとして大目に見れば十分娯楽作品として成立していて万人が楽しめるのではないだろうか。

 

作品とは直接関係ない余談ではあるが、主人公は低身長がコンプレックスと書いたが設定の身長は168㎝と日本で考えるとそこまで強いコンプレックスを持つほどの身長ではない。
しかし、北欧という地域は世界的に見ても高身長が非常に多く、平均で180cmを越えてくるような国が有ったりする。

 

 

 

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