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『チェンジリング』感想・紹介・レビュー【事実は小説よりも奇なり】

チェンジリング

チェンジリング (字幕版)

 

2008年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンス映画。
監督・製作をクリント・イーストウッド、脚本をJ・マイケル・ストラジンスキーが務めた。

出演
  • アンジェリーナ・ジョリー
  • ジョン・マルコヴィッチ
  • ジェフリー・ドノヴァン
  • コルム・フィオール
  • ジェイソン・バトラー・ハーナー
  • マイケル・ケリー

 

今作は、1920年代のロサンゼルスで実際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を基に映画化した作品。
タイトルの『チェンジリング』とは自分の子供が醜い子供に取り替えられるというヨーロッパの伝承に基づいた物。

 

事件の詳細を調べたりして知っていたとしても十分楽しめるとは思うが、基本的にはサスペンス作品なので知らない方がより一層この作品の深く暗く重い世界に入り込めると思う。
事件の詳細説明は省くので、知りたい方は「ゴードン・ノースコット事件」で調べると色々分かる。

 

実際のところ、今作がどれだけ事実を忠実に描いているのかは分からないが、事件を知らずに観た人ならば確実に「これが実話?盛ってるでしょ」と思うくらい酷い。
そんな時代の中で起きる驚愕の事件、権力を持つ側に逆らうことの恐ろしさや難しさ。
正しいことを正しいと言えない、間違っていることを間違っていると言えない。

 

実際の事件が今現在で考えれば、とてもじゃないが理解できないくらい酷く重く暗いものということもあるが、作風もきっちりとその酷さを再現しているのもあって観る際はそれなりの覚悟をもって観るべきだろう。

 

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序盤のあらすじ

1928年のロサンゼルス

シングルマザーで、電話会社に勤務するクリスティンは息子ウォルターを残して仕事に出かけるが、帰宅すると息子は姿を消していた。

クリスティンはロサンゼルス市警察に捜査を依頼し、事件は世間の注目を集めるが、同時に人々は不正が横行する警察に事件を解決する能力があるのか疑問視していた。5か月後、市警のジョーンズ警部からウォルターを保護したと連絡が入り、クリスティンは彼に連れられて駅に向かう。

そこには市警の手柄をアピールするデーヴィス本部長や大勢の記者が集まっていたが、再会した息子は全くの別人だった。

引用:Wikipedia

 

 

現在はどうなのか分からないが、それなりにアメリカの警察に対しての知識があれば、ロサンゼルス警察の評判の悪さは知っていることだろう。
だが、今作はそういった知識を持っていたとしても観進めて行くにつれて

”怖さ” ”おぞましさ” ”憤り” ”怒り” ”悲しみ”

など負の感情が次々と湧き上がってくるほどに、良い意味で終始精神に来る作り。

 

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こういった事件に限った話ではないが、今現在当然の様に自分たちが使えているもの、機能している事柄はそれが当然ではなかった時代に、全力で立ち向かった人々が居るからこそだということを改めて実感させてくれる。

 

どれだけの辛さがこの人を襲ったのだろう
どれだけの恐怖がこの人を襲ったのだろう
どれだけ強く我が子の無事を祈っただろう

 

こうして想像するのは容易いが、決して本人の感情を推しはかれる人など存在しない。
ただただ、当時こうした出来事があり、それに立ち向かった人が居るという事をまざまざと見せつけられた映画だった。



小ネタ

クリント・イーストウッド監督作はワーナー・ブラザース作品が多く、ユニバーサル・ピクチャーズで映画を製作したのは1975年に公開された『アイガー・サンクション』以来33年ぶりのこと。
公開時(2008年)から80年以上前の事件であることから、作中に出てくる関係者はすべて実名。
クリスティン・コリンズ本人は生涯にわたり息子の生存を信じ続けていたという。

 

 

 

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