洋画な日常

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『ザ・コンサルタント』感想・紹介・レビュー【自閉症の会計士兼殺し屋】

ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント(字幕版)

 

2016年に公開されたアメリカ合衆国のアクション映画。
監督をギャヴィン・オコナー、脚本をビル・ドゥビュークが務めた。

出演
  • ベン・アフレック
  • アナ・ケンドリック
  • シンシア・アダイ=ロビンソン
  • J・K・シモンズ
  • ジョン・バーンサル
  • ジェフリー・タンバー

 

タイトルやポスターから受ける印象だけで観るのはおススメしない。
単純な「最強主人公が悪の組織を成敗」ではなく、ASD(自閉症スペクトラム障害)の同質さ異質さというものに着目して、その適正からくる常人には得難い様々な能力を持ちながら社会の中で「普通」に適応するための苦悩や努力をしっかりと描いた作品。

 

この精神に障害のある主人公をベン・アフレックが好演している。
個人的に『アルマゲドン』や『パール・ハーバー』の時などはあまり演技が上手いタイプには見えなかったのだが、今作は会計士と暗殺者の二面性を持つ役柄、表情から感情を読み取れない雰囲気がピッタリはまっている。

 

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展開的には序盤でこれでもかと謎を散りばめて、中盤で理解が進むと同時にASDである主人公の人間性や彼そのものをしっかりと表現して、終盤にかけては序盤に散りばめた謎を違和感なくスムーズに解いていて1度引き込まれればそこから抜け出すことなく観終わってしまう。

 

アクションの演出も役柄に合わせた、リアリティ重視の物になっていて好感。
ハリウッドで良くあるドヤ顔アクションは一切なく、その時その状況で必要な分だけアクションをする。
決して派手ではないが、抑えているからこそ引き立ったシーンになっている。

 

演技や演出、展開全てが終始派手さがあるわけではないがしっかりと、シナリオや見せ方に展開で視聴者を引き込む。

 

序盤のあらすじ

1989年、ハーバー神経学研究所。

男の子はソロモン・グランディの歌詞を唱えながら、ジグソーパズルの箱をあけている。

その子を見ながら、母親と父親、研究所の神経学者が話をしている。

母親は、友達と言えるのは兄だけだ、などと訴える。

神経学者は、この研究所では人生を過ごすために必要な技術を身に着けさせる教育がテーマであり、この夏はこの研究所の落ち着いた環境で環境で過ごさせてみてはどうか、と勧める。

しかし、軍人である父親は、世の中は落ち着いた環境などではなく、そういう厳しい環境の中で過ごすことを学ばなければならない、と言って反対した。

その時、ジグソーパズルをしていた男の子はパズルの駒が一つ見つからないと大騒ぎを始めた。

ソロモン・グランディを唱えながら狂ったように最後の駒を探す。

兄も探すのを手伝ったが、最後には同じ部屋にいた自閉症の女の子のジャスティンが見つけて、男の子に差し出した。

引用:Wikipedia

 

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この作品、観る回数が増えるたびにベン・アフレックの演技だけで観る価値があるのではないかと思わされる。
一見すると何の違和感もなく普通なのだが、目や目線の演技が素晴らしい。
そしてその演技に対しての演出も素晴らしく、敵をひたすらに淡々と手際よく倒していく。
自閉症の特徴とも言われている”1つの事を最後まで完璧に最短でこなそうとする”というものがしっかりと表現されている。

 

銃撃シーンでも、一切の容赦をせずにただ相手の頭を撃ち抜き短時間で仕留める。
撃つ方も撃たれる方も無駄な死の演技などせずに、まるでそれが普通であるかのように殺していく。

最近はいわゆるアメコミ的なド派手なドンパチが多い中、静かに淡々とリアリズムを追及するようなアクションシーンは観ていると派手な物とは違った清々しさを感じることが出来る。

単純なアクション映画ではなく、自閉症を持ったダークヒーローが複雑な人間関係の中で会計士として、暗殺者として闘う姿は新しい刺激をもたらしてくれるだろう。

 

 

 

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