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『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』感想・紹介・レビュー【真のジャーナリズム】

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)

 

2017年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンス映画。
監督をスティーヴン・スピルバーグ、脚本をリズ・ハンナ、ジョシュ・シンガーが務めた。

出演
  • メリル・ストリープ
  • トム・ハンクス
  • サラ・ポールソン
  • ボブ・オデンカーク
  • トレイシー・レッツ
  • ブラッドリー・ウィットフォード

 

ベトナム戦争を分析、記録したアメリカ国防省総省の最高機密文書”ペンタゴン・ペーパーズ”の内容を暴露したワシントン・ポストに勤める2人のジャーナリストの実話を映画化したのが今作。

ペンタゴン・ペーパーズとは

ペンタゴン・ペーパーズ (英語: Pentagon Papers) とは、国際安全保障問題担当国防次官補のジョン・セオドラ・マクノートン(海軍長官就任直前に死亡)が命じて、レスリー・ハワード・ゲルブ(後に国務省軍政局長)が中心になってまとめ、ポール・C・ウォンキ国防次官補に提出された、ベトナム戦争とトンキン湾事件に関する非公開の政府報告書である。

引用:Wikipedia

 

作品の舞台は、37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソン政権下。
当時はアメリカでさえ、まだまだ女性が社会という中で働くことに理解が現代ほど広まっていなかった時代。
経営者が女性だと投資家は金を出し渋る、役員会では女性は1人だけというような逆境の中で父親から夫が受け継いだ新聞社を、夫が亡くなってからも切り盛りしている。

 

この始まりから、まさしく”スティーヴン・スピルバーグ”と言わんばかりのヒューマンドラマが展開されていく。
メリル・ストリープ演じる、キャサリン。
トム・ハンクス演じる、ベン。

この2人が政府との高度な戦いに身を投じる様を、感情描写や心理描写を丁寧に描きつつ当時の活字印刷なども忠実に描いていて、色々な場面から刺激を受けることが出来る。

 

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日本でも時々”報道”というものの重要性が問われることがあるが、この作品を観る事でその本質というものを再認識することが出来ると思う。

 

序盤のあらすじ

ジョン・F・ケネディとリンドン・B・ジョンソンの両大統領によってベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に戦争に対する疑問や反戦の気運が高まっていたリチャード・ニクソン大統領政権下の1971年、以前に戦況調査で戦場へ赴いたことがある軍事アナリスト ダニエル・エルズバーグは、ロバート・マクナマラ国防長官の指示の元で自らも作成に関わった、ベトナム戦争を分析及び報告した国防総省の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を勤務先のシンクタンク、ランド研究所から持ち出しコピー機で複写、それをニューヨーク・タイムズ紙の記者 ニール・シーハンに渡し、ニューヨーク・タイムズがペンタゴン・ペーパーズの存在をスクープする。

引用:Wikipedia

 

父親、夫から引き継いだ会社をかけてリーク文書を記事に掲載するかどうか。
ジャーナリスト、ジャーナリズムという言葉を簡単に耳にすることが出来るが、真のジャーナリズムというものはどうあるべきか。
レベルの低い暴露記事やら、根拠もなく最早フェイクなのではないかというような記事で政権を攻撃するようなことは決してジャーナリズムとは言わないのだろう。

 

結果としてニクソン大統領は「ウォーターゲート事件」で失脚するのだが、当然の結果。
国家権力が弱体化の恐れがあるとはいえ、”国家が仕えるべくは自国民”という原理が働きこうした報道の自由がアメリカ合衆国という大国の民主主義遵守の矜持を示すことになった。

因みに

ペンタゴン・ペーパーズ(2017年)
大統領の陰謀(1976年)
ザ・シークレットマン(2017年)

 

この順に見ると37代アメリカ合衆国大統領であるリチャード・ミルハウス・ニクソン政権下で何が起きていたかが分かったりもするので、政治的な映画が好みの人には是非3作とも見てほしい。

 

個人的にはある程度の脚色はあるかもしれないが、こういった事実や事件を知ることの出来る映像作品というのは貴重であると同時に純粋に好み。
だが、人によっては前半の展開の少なさなどが気になってしまうかもしれない。

 

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事実、実際にあった事件に基づいた映画はどうしても静かだったりテンポが悪くなりがちだが、観るべきところはそこではなく作品のラストである人物が「報道とは歴史の最初の文字」という言葉を語るのだが、まさにそれであり今作は”報道”というもののありかたを考えながら観ると様々な事を感じることが出来る良作になる。

 

小ネタ

今作は1度レバノンのレーティング審査で却下されている。
『シンドラーのリスト』でエルサレムでの撮影を行ったことが問題視された為。
その3日後にレバノンの首相の介入もあり、上映禁止の決定が覆された。

 

 

 

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