洋画な日常

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『ブリッジ・オブ・スパイ』感想・紹介・レビュー【正義と不屈】

ブリッジ・オブ・スパイ

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2015年に公開されたアメリカ合衆国の政治伝記映画。
監督をスティーヴン・スピルバーグ、脚本をマット・チャーマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエンが務めた。
タイトルの『ブリッジ・オブ・スパイ』はスパイ交換が行われたグリーニッケ橋を指す。

出演
  • トム・ハンクス
  • マーク・ライランス
  • エイミー・ライアン
  • アラン・アルダ
  • スコット・シェパード

 

この作品はU-2撃墜事件でソビエト連邦の捕虜となったフランシス・ゲイリー・パワーズの解放の為に動く弁護士である、ジェームズ・ドノヴァンを中心に”スパイ、原爆、ベルリンの壁などの冷戦時代を象徴する物事を散りばめながらストーリーが展開していく。

U-2撃墜事件とは

U-2撃墜事件(ユーツーげきついじけん)は、1960年、メーデーの日(5月1日)にソ連を偵察飛行していたアメリカ合衆国の偵察機、ロッキードU2が撃墜され、偵察の事実が発覚した事件。

予定されていたフランスのパリでの米ソ首脳会談が中止されるなど大きな影響があった。

 引用:Wikipedia

 

タイトルに”スパイ”とは入っているが、”アクションスパイ物”ではないのでそういう意味では注意。
たまに今作の感想で、「テンポが悪い」「ワクワクするような展開もない」「感情の演技が平坦」というような表現を見るので、そういった分かりやすい娯楽を求めているときには向かない。

 

実話に基づいた話なのもあって、基本的には派手というよりは淡々としっかり地に足つけた状態で進んでいく。
しかし、次はどうなるんだ?この状況でこの組み合わせはどう駆け引きが展開されるんだろう、と無意識に考えながら観進められるのでそういった意味での見応えは十分。


「正義を貫く」とか「不屈」という表現だったり、自己信念として掲げる人も居るとは思う。
この作品はまさにその言葉を体現するドノヴァンの姿を見る事ができ、その姿からそれを貫くという事が如何に難しいことなのか考えさせられる。

 

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序盤のあらすじ

冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイルドルフ・バレルは、FBIに目をつけられ追跡されていた。

彼がデッド・ドロップ後に滞在するホテル・レイサムで情報解読しているとき、スパイだと確信したFBI捜査員がそこに突入し家宅捜査、逮捕される。

ワターズ&コワン&ドノヴァン法律事務所の保険担当弁護士 ジェームズ・ドノヴァンは共同経営者のトーマス・ワターズと連邦裁判所のリン・グッドナフから、公平性を演出するため弁護士がいないアベルに連邦裁判所弁護士会の弁護士全員の推薦を受け、ドノヴァンが彼の弁護士として選出されたと伝えられる。

引用:Wikipedia

 

映画である以上は、ある程度の脚色は含まれているということは理解した上でだが、こんなにも多方面から様々な圧力を受けているにも関わらず自分の立場で可能な限りやるべきことをやりぬくという、ドノヴァンの強さ、清廉さをまざまざと見せつけられた。
”Standing Man=不屈の人”というのも頷ける。

 

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そのドノヴァンの押し殺した感情や静かな闘志を、トム・ハンクスが円熟味の増した抑え目の演技や表現でこの作品の魅力を高めている。
作品の演出自体も、やるべきところはきちんとやりながらも不要なところはバッサリ割愛することで視聴者の思考やイメージを膨らませる一因となっている。

 

鑑賞前にスピルバーグとトム・ハンクスのタッグという時点でかなりの期待値があったのだが、相変わらず易々と越えてくるなぁと思わせてくれた作品。

 

 

 

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