『ワールド・イズ・ノット・イナフ』感想・紹介・レビュー【シリアスへの転換】
ワールド・イズ・ノット・イナフ
1999年に公開されたアメリカ合衆国のスパイアクション映画。
監督をマイケル・アプテッド、脚本をニール・パーヴィスが務めた。
『007』シリーズ第19作目。
出演
- ピアース・ブロスナン
- ソフィー・マルソー
- デニス・リチャーズ
- デヴィッド・カルダー
- ロバート・カーライル
- ジュディ・デンチ
- デスモンド・リュウェリン
ピアース・ブロスナンが演じた5代目ジェームズ・ボンドの『007』3作目である今作。
複雑化した現代社会を舞台としていて、シリーズを通してみても若干ではあるがやや複雑なストーリーになっている。
5代目ジェームズ・ボンドとしては、初となるシリアス路線になっていて無抵抗な相手を容赦なく射殺していたりとハードボイルド的な部分が多く、このシリーズ恒例のボンドジョークはかなり少なめ。
アクションシーン自体も、冒頭を除けば過去作と比較すると抑え目な演出になっていて、要所要所で流れるBGMも哀愁や不気味さなどを感じさせるような作りが多い。
全体的に派手さよりも演出や雰囲気、展開を重視した作りになっていて自分は好みだったが人によっては物足らなさを感じてしまうかもしれない。
”Q”を演じたデスモンド・リュウェリンはこの作品の撮影終了6週間後に交通事故によって亡くなってしまい、彼の遺作となっている。
序盤のあらすじ
ボンドは、石油王ロバート・キング卿の大金を回収する事に成功。
キング卿が大金を確認するためMI6を訪れる。
Mへ任務の経過を報告している最中に、ボンドはその大金に罠が仕掛けられていることに気づき止めようとするが間に合わず、キング卿は爆死した。
ボンドは犯人と思われる女暗殺者を追うが、激しいボートチェイスの末、女暗殺者は「彼からは逃げられない」と言葉を残して自爆する。
真犯人は009に銃弾を頭に撃ち込まれるも死なず、そのせいで痛みを感じない体となった不死身のテロリスト「レナード」だと睨んだMI6は、キング卿の娘であり、レナードに誘拐された経験があるエレクトラ・キングが次に狙われると判断。
引用:Wikipedia
ストーリー自体の展開の複雑さもあるが、登場人物同士の関係性の説明やそれが見て取れるシーンがないために余計分かりづらさを感じてしまう人が居るのだと思う。
後よく見る評価として ”出てくるセクシーな美女とやたらと寝る軟派な話” というのがあるが、恒例といえば恒例だからなぁ…
クリスマスを演じたデニス・リチャーズのホットパンツにトップスケスケのファッション。
エレクトラを演じたソフィー・マルソーのヌードシーン。
『007』らしいといえばらしいが、設定の難解さ等が相まってそういった分かりやすいシーンに注目されてしまうのかもしれない。
そもそもボンドは、色んな意味で良く寝るからこの作品が特別多いという訳でもない。
現在の『007』シリーズはシリアスなドラマ展開が多いが、それが始まったのが今作と言っても過言ではないと自分は思っている。
長く続くシリーズ作品は、”変化” があるとそれが良い変化でも悪い変化でも過敏に反応する人も多い。
そういう意味で難しい作品だったと思う。
『007』シリーズとして、過去作から引き継いで行くべき物と変化させていく物を両立させて作品に仕上げるのは物凄く難しいことなんだと観るたびに感じる。
ただ個人的には、シリアスな中にも往年の名作たちを感じさせるシーンがあったり今迄に居ないタイプのボンドガールだったりで十分楽しめる名作。
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