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『ちいさな独裁者』感想・紹介・レビュー【偶然と権力】

ちいさな独裁者

ちいさな独裁者(字幕版)

 

2017年のドイツ・フランス・ポーランドの戦争映画
監督・脚本をロベルト・シュヴェンケが務めた。
原題の"Hauptmann"とはドイツ語で「大尉の意。

出演
  • マックス・フーバッヒャー
  • ミラン・ペシェル
  • フレデリック・ラウ
  • ベルント・ヘルシャー
  • ワルデマー・コブス
ヴィリー・ヘロルトとは

ヴィリー・ヘロルト(ドイツ語: Willi Herold, 1925年9月11日-1946年11月14日)は、ドイツの兵士。
第二次世界大戦末期、一兵卒でありながら将校の身分を詐称し、多数の敗残兵を指揮下に収め、彼らと共に収容所を不当に支配して囚人の虐殺を行った事で知られ、「エムスラントの処刑人(Der Henker vom Emsland)」の異名で呼ばれた。
敗戦後、連合国軍によって逮捕され、裁判の後に戦争犯罪人として処刑された。

引用:Wikipedia

 

第二次世界大戦の末期であった1945年に、ヴィリー・ヘロルトが偶然の成り行きと思いつき、言葉巧みな出任せで空軍上等兵が将校の威光を手に入れた結果、怪物的な独裁者になっていく姿を描いた作品。

 

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最初は特に意味もなく将校の制服を着ただけの主人公が、成りすましが成功してしまった高揚感を感じ始め、周囲も疑わなくなり、それにより徐々に後には引けなくなっていき、陶酔さえし始めてしまう流れを、分かりやすくもいつバレるのか?というハラハラを感じさせてくれる。

 

これは主人公であるヘロルトの心理描写や名演だけでなく、ヘロルトを取り巻く人物の疑念や忠誠、自己利益といった心理描写もしっかりと描いているからこそ、終始そのような緊張感が作品に漂っているのだと感じた。

 

序盤のあらすじ

ナチス・ドイツの敗色が濃厚となっていた第二次世界大戦末期の1945年4月、部隊を脱走した空軍上等兵ヘロルトは、憲兵隊に追われてさまよっていた。

追っ手から逃れた彼は、打ち捨てられた軍用車両の中をあさっている際に空軍将校(降下猟兵大尉)の軍服一式を発見した。

ヘロルトは軽い気持ちでこの軍服を身にまとってみたが、彼を本物の将校と信じた遊兵フライタークから指揮下に入れるよう頼まれ、このまま将校になりすますことを思いつく。

ヘロルトは将校の軍服の威光と言葉巧みなウソによって、道中出会った兵士たちを服従させ指揮下へ収めることに成功し、"ヘロルト戦闘団"のリーダーとなった。

引用:Wikipedia

 

 

実話ベースの映画の為、ヘロルトが第二次世界大戦終戦までの1か月間で何をしていたかというのを淡々と追うようなストーリー展開になっている。
人間どこで狂い始め、どこで変貌するかというのは分からない物だということをまざまざと感じさせられた。

 

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実際のヘロルトは、色々な資料によるとやんちゃな青年時代を過ごした若者で、徴兵によって空軍に配属されただけでこんな若者は当時いくらでも居たと思う。
しかしそんな何処にでもいるであろう1人の若者が、時代偶然環境によってヘムスラントの処刑人という異名を持つまでに変化してしまう恐ろしさ。

 

結局のところ人間という生き物は、どう育ってきたとしても置かれた環境の変化やその時の状況次第で平衡感覚を失い始めてしまえば、終いには麻痺して様々な意味でどこまでも残酷になれてしまうのだろう。
ヘロルトはそれに加え権力まで持ってしまったわけだから、どんどん暴走していく様もそういう意味では自然な流れといえるかもしれない。

 

ただ作品自体の印象としては、テーマとやっている内容がこれだけ重いわりには映像は重苦しくない。
クラシックで軽快なBGMとテンポの良い展開、無駄なシーンもないのもあって観易く出来ている。

 

戦争映画という括りで傑作というのは難しいかもしれないが、ナチスドイツ映画の括りで考えれば十分に満足できるし、オススメ出来る映画だった。



 

 

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